原神〜2人の姫と1人の王子〜 VI (ページ34)

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2話　Ch.異郷人の懺悔録ページ34

身分を証明する、役所…のような場所へ向かった

そして女の人に身分を証明する

「こんにちは、身分の証明と島へ上陸する目的を教えてください。あっ、もちろんトーマさんは結構です。
　皆さん見ないお顔ですね…」

パ「うぅ…」

「どうしたんですか？お三方の詳細と、荷物を持っているかどうかを…」

蛍「私たちは兄を探しに…」

『———ではなくて！私たちは…お酒と鉱石の商売に…』

「うーん…規則に沿ったものではなく、そのような個人的な事情が理由ですと、原則として通すわけにはいきません」

パ「あっ…オ、オイラたちは…」

「すみません、やはりお三方には…」

ト「これが三人の上陸手続きの書類だ、確認してくれ」

トーマが何食わぬ顔で女の人に差し出す

パ「おい！あるならもっと早くに出しとけよ！」

ト「アハハッ、君たちがどう対応するのか少し気になったんだ、悪い悪い」

女性が書類に目を通し終わったのか、納得したような顔をしている

「ふむ…そうでしたか。書類に問題はありません、離島へようこそ」

パ「ふぅ……これからどこに行けばいいんだ？」

ト「「遠国監察(おんごくかんさつ)」だ。ここは上陸の可否を調べるだけなんだ。
　離島に滞在するなら、遠国監察で滞在手続きを行う必要がある」

パ「うぅ…なんか聞いただけで厳しそうなとこだな」

ト「稲妻では、外国から来た人間を「外の人」と呼ぶほどだからね。この言葉からも分かると思うけど、
　鎖国令によって封鎖されている今の状態じゃ、外国人が簡単に受け入れられることはないんだ。
　たとえそれが、「異邦人居留地(いほうじんきょりゅうち)」のあるこの離島でもね」

蛍「『それでも進まなきゃ』」

ト「ハハッ、君たちの覚悟は気に入ったよ。オレたち気が合うんじゃないかな。
　じゃあ行こう、遠国監察へ」

私たちは正式に稲妻の地に足を踏み入れた

瞬間に私は悍ましい吐き気に襲われた

『うっ…！』

私は気持ち悪さのあまりにしゃがみこんで口を抑えた

蛍「A？どうしたの！？」

『うぅ…！』

パ「おい大丈夫か？顔色が悪いぞ！」

ト「どうしたんだい？」

『い、いえ…少しフラついた、だけで…』

ト「本当に大丈夫？顔真っ青だけど…」

『いえ、本当に…大丈夫…です』

何この緊張感

今までに体験したことのない緊張感と、憎悪…