藤の家奇襲編 四十八話 善逸くん、奇襲されました!! ページ49
横になっていたはずの体勢が縦になった気がしてうっすら目を開けると黄色の羽織が目に入った。
エッ!?善逸くんが窓側の何かから私を守るように私に覆いかぶさっている。
私達の格好は…その、傍から見れば抱き締められる何秒か前、みたいな感じだ。
善逸くんは顔だけ窓側を向いていて、私がどういうつもりなのだと声かけようとすると、何かに気がついたのか急にこちらに振り向いて、私を何かから守るようにギュッと抱き締める。
私が全員くんは寝ぼけているんだと思って声をかけて引き剥がそうとすると…
「……ッッ!?」
爆風。
そして突然に鳴った耳を劈くような爆音の破壊音と共に一斉に壁が瓦礫へと変わる音がした。
驚いて窓側を見るとタコのような触手を持った、体のかなり大きい鬼がいた。
続けて善逸くんを見やると、私を助けてくれる時の顔。目を瞑っていた!!
「Aちゃん、怪我してるだろ戦っちゃだめだ。……まずどこにあるかわからないみんなの日輪刀を探して、この藤の花の家紋の家の中にいる人達を避難させて欲しい。」
普段の善逸くんからは信じられないような冷静な判断。
ていうか、その状態でも喋れたのね。
「う…うん。分かった!探してくるよ。」
「俺はここで炭治郎達と鬼を食い止める。」
私が親分達を見ると、さっきの爆風・爆音で目が覚めたのか立って触手の攻撃を避けている。
「日輪刀ー!とってくるからーーっ!それまで食い止めて待っててーーっ!!」
私は二人に向かって叫んでそう伝えるとすぐに振り返って走って廊下に出て日輪刀と避難させるべく人を探す。
それにしても私はどうしてこんなに鬼を近づけるまで自然の感覚に気づかなかったんだろう……。
数年間、この感覚を頼りに夜も森の中で眠っていたのに……それにちゃんと、ここ数年鬼が近づいてきた時は気づいていた。
獣の勘のようなものがある親分も匂いに鋭く鼻が利くお兄ちゃんも気がついてなかったみたいだ。
善逸くんも、私やみんなを起こす時間もなく初手が私を守ることだったということは結構ギリギリまで鬼が近づいてきてから気がついたのだろう。
みんな、疲れていて感覚が鈍っていたのか?
そんな、私は何年も、何時間も体を鍛えてクタクタになった後寝ても鬼が近くに現れたら気がついていた。
それに待てよ、ここは藤の花の家紋の家だぞ!?鬼は藤の花を嫌っているんじゃないのか…!?
神様、私混乱状態です。
四十九話 善逸くん、ありました!!→←四十七話 善逸くん、就寝です!!
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翡翠すいすい - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!応援もすごく励みになります!更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年8月10日 3時) (レス) id: 21e6df8405 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とっても素敵で更新する度すごく楽しく読ませていただいています!無理をなさらずにまた更新頑張ってください!応援しています!本当に大好きです! (2019年8月9日 11時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠すいすい | 作成日時:2019年8月9日 2時