二十話 善逸くん、お爺さんいろいろヘビー過ぎません!? ページ21
「爺ちゃん〜…?」
横開きの戸を静かな夜にガラガラと開きながら私をおぶった善逸くんは小声でそう家の中に声をかける。
「善逸ぅ!!」
暗闇の中端の方に血管がはっきり見えるぐらい目を見開きながらその"爺ちゃん"は叱りつけるように善逸くんの名前を読んだ。
「ここに来るまでの時間を見ると…善逸、帰りは山を越えて来なかったな!?!?」
「じっ、爺ちゃん待って!!それは分かってるけど……初任務は殺されそうになったし…そ、それにここに女の…」
「言い訳無用!!!」
"爺ちゃん"はまさに鬼の形相で縄を手に持っている。
「ぎゃああああああああああ」
善逸くんは、そう言いながら後ずさったかと思えば私をおぶったまま猛スピードで"爺ちゃん家"に背中を向けて走って逃げていく。
そしてすぐに"爺ちゃん"に縄を引っ掛けられ、善逸くんは転倒しそうになりなんとか姿勢を保ったが私は違った。
善逸くんの傾いた体の方向へそのまま落ちていく。
かろうじて受け身、とれるかな…?
とりあえず痛みに耐える覚悟をしていると、覚悟した痛みがやってこないことに気がつく。
善逸くんが…私を抱えてくれたみたいだ。
それも俗にいう、お、お姫様抱っことやらで。
「爺ちゃん待って待ってこの子!怪我してんだよほぼ動けないの!!泊めてあげていいよな……?」
「善逸!嫁入り前の娘と一夜を明かすなど言語道断じゃぞ!!家に帰してあげなさい!!」
「家ないんだって!!今までは森で寝てたんだって!!だから、ちょっ、縄!!その縄しまって爺ちゃんお願い!!」
「さっき落ちないよう支えてくれてありがとう……あの、村に居た時は声を出すのもやっとだったけどもう普通に話せるから回復したんだと思う。だから…やっぱり迷惑かけるわけには……。」
「でも歩いたり走ったり……動けないだろ…?」
善逸くんがそう言うと"爺ちゃん"は縄を一旦下ろしてさっきとは違った落ち着いた声でこう言った。
「お嬢ちゃん、善逸は嘘は言ってないんだな?」
「えぇはい!それはもちろんです!」
「……なら傷を診よう。入りなさい。家がないんなら……今日は泊まっていきな。」
「そっ、そんな…!大丈夫ですよ!傷診て貰えるのはありがたいですけど…寝るのは森で大丈夫です!!」
神様ぁああああああ!!
善逸くん優しすぎません?善逸くんのお爺さんも!
でも誰かに借りを作るのは怖いです…私は何もお返し出来ないから……。
二十一話 善逸くん、私全治3ヶ月だって!!→←お泊まり編 十九話 善逸くん、そういうとこ憎めないですよ!!
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翡翠すいすい - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!応援もすごく励みになります!更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年8月10日 3時) (レス) id: 21e6df8405 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とっても素敵で更新する度すごく楽しく読ませていただいています!無理をなさらずにまた更新頑張ってください!応援しています!本当に大好きです! (2019年8月9日 11時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠すいすい | 作成日時:2019年8月9日 2時