十一話 善逸くん、危ない！！ ページ12
「そもそもさぁ！！影の中を高速で移動できる血鬼術とか鬼殺隊入ってからは初戦なのに強すぎるんだよ！！！」
善逸くんは立ち上がったと思ったら噴水の周りをぐるぐる歩き回りながら泣き言を言っている。
その中で聞いたことの無い言葉がひとつ。
「血鬼術？」
「異能力を持った鬼のことだy…」
善逸くんが説明を終える前に、善逸くんの影と噴水の先のちょっとした影が交差する。
「善逸くん！！影踏んでる…！！」
私が走って駆け寄ろうとするとさっきのようにまた日が建物に隠れ、辺りが薄暗くなった。
「……！！まずい！私達の距離が離れすぎてる！」
私が構わず善逸くんのほうへ走り出すと突然足が動かなくなり、驚いて足元を見る。
すると私の後ろから鬼の両手だけが影になっている地面からでて私の足首を地面に固定するように押さえていた。
先にこいつの手を切り離さなくちゃ……！
そう思って私は日輪刀を取り出してちらりと善逸くんの様子を伺う。
「嘘でしょ！？そんな！！なんでもありなの！？」
善逸くんの背後には、両手のない鬼が影からでて善逸くんに今蹴りを入れようと膝を曲げているところだった。
恐らく両手がないのは私の足首を掴んでいるからだろう。
影の中なら体を切り離すことさえできるなんて…！
しかも体を切り離すことでダメージがあるようには見えない。ただ腕の先がモヤがかっているだけ。
ただ一度パーツを取り外しただけ、かのように両手だけが離れた位置にいる私の足首を掴んでいる。
「どうしたら…」
足を掴んでいる鬼の両手を斬り裂いていたら善逸くんを助けるのには間に合わないだろう。
『私が我妻さんをしなせませんよ！』
……あんなこと言っておいてこのザマ。
『私は我妻さんの分も我妻さんを信じます！だから、我妻さんも私のこと信じてくれたらな…』
……信じてもらえるほど強い私じゃない。
情けない、なんでこんなことに…？
まだ善逸くんに鬼の攻撃が当たったわけでもないのに諦めかけてしまいそうになったその時、
『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃！！』
あの日の善逸くんを思い出す。
あぁ、絶望から私をすくい上げてくれるのはやっぱりあなたなんだな。
神様、私走ります。善逸くんの元に。
間に合わなくても少しは致命傷を外れるかもしれません。
とにかく、信じて欲しいって言ったからには全力で守りたい。
そう、思うんです。
十二話 善逸くん、絶対助けますからね！！→←十話 善逸くん、作戦会議ですよ！！
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翡翠すいすい - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！応援もすごく励みになります！更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2019年8月10日 3時) (
レス) id: 21e6df8405 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とっても素敵で更新する度すごく楽しく読ませていただいています！無理をなさらずにまた更新頑張ってください！応援しています！本当に大好きです！ (2019年8月9日 11時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠すいすい | 作成日時：2019年8月9日 2時
