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抱きしめられたまま静かな時間が過ぎてく。
今度は私がちゃんと伝えなきゃ。
まだ言えてない、大切な言葉。
「はぁー、やっと好きって言っていいんだ...。」
目の前の彼の胸が震える。
「ね、ね、Aさん、声に出てる。」
くすくす笑いながらそんなこと言ってくる。
一瞬、え？って感じだったけど、すぐに理解して顔が熱くなった。
見ないで。って言ってるのにわざわざ顔を覗き込んでくる。
でもね、そうだよね。
彼は真っ直ぐ伝えてくれた。
ちゃんと言うから。
「蓮、私も蓮のこと好きだよ。すっごい好き。」
腕の力が強くなって、もう折れちゃうんじゃないかってくらい。
「待って、ちょっと痛い。」
「あ、ごめん。嬉しくて。」
すぐに離れて素直に謝る彼が可愛くて愛しくて、今度は私から抱きしめた。
大きな身体。
硬いのに落ち着くなんて不思議。
彼の腕も私の背中に回って、さっきのこと気にしてるのかな？って思うくらい今度は割れ物を扱うみたいにそーっと。
ほんと愛しいや。
「ずっとこうしたかった。」
「ほんとは私も。ね、蓮？」
「ん？」
名前を呼ぶと顔が見えるようにしてくれた。
人ってこんなに優しい顔するんだね。
「触れていい？」
「いいよ。」
目尻の皺、傷ついた眉毛、はじめて会った時よりシャープになった頬。
彼を形作る全部に触れたくて指でなぞった。
唇に触れそうになったとき、はっとして目線をあげるとめちゃくちゃ私のこと見てて目が合った。
「ごめん、もう大丈夫。」
「だめ。ちゃんと目見て。」
「やだ。」
「A。」
見つめ合ったまま、
１秒
２秒
３秒。
少しずつ近づいて、そっと重なった唇。
それは段々深くなっていって、彼の首に腕を回しておいてかれないように必死だった。
「おいで。」
離れた唇。
彼が差し出した手を取って向かったのはベッドルーム。
こたえきれないほどの愛をくれたんだ。
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ちくわ(プロフ) - とかげさん» 返事遅くなってすみません。嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。あと少しお付き合いいただけたら嬉しいです。 (8月5日 19時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
とかげ(プロフ) - ひとつひとつの言葉選びにセンスがあってとっても好きな作品です。これからも楽しみにしてます！ (8月1日 21時) (レス) @page42 id: 21364ac4e6 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - りっぴさん» 返事遅くなってすみません。ありがとうございます。とっても嬉しいです！更新遅いですが頑張りますので今後もよろしくお願いします。 (7月3日 14時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
りっぴ(プロフ) - こんばんは。真夜中に眠れずふと検索からこの作品に辿り着きました。言葉の一語一句が好みの言葉でどれもドストライクです！展開が楽しみです☺︎更新楽しみにしてます！ (6月30日 20時) (レス) id: 4352324f05 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - 千星さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます。頑張ります！ (6月25日 3時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2023年6月12日 5時
