264話 ページ50
冷たい響く神童の声。
A(......怒ってる？)
あまり聞かないトーンが自分に向けられている事でAの心臓は緊張で鼓動が早くなった。
ど、どうしよう。
私......間違えた。
A｢ご、ごめん｣
神童｢それは何に対する謝罪だ？｣
あまりにも淡々としている神童の言葉に頭が真っ白になる。
どうしよう......どれが"正解"？
神童｢お前は何の為にサッカーをしている｣
A｢それは......サッカーが好きだから
みんなとやるサッカーが好きだから｣
これだけは迷わない。
迷ってはならない。
神童｢そうだ、お前は俺たちの役に立つ為にサッカーをしている訳じゃない。
......それにお前がいなきゃ雷門は成り立たないさ｣
すると突然神童の声とは別にピアノの高い音が聞こえてきた。
向こうも夜なはずなのに。
ピアノを弾いてもいいのだろうか？
神童｢俺も才能なんてものは無い
けど話を聞いて一緒に考え、必要であれば手を取って乗り越える事も出来る。｣
......そうだ。
才能という言葉が間違いだったんだ。
昔から学力、ピアノ、サッカーに秀でており、天才と周りから謳われてきた神童。
私も最初はそんな神童を妬ましく思ったこともある。
けど雷門中で出会い、その裏には血のにじむ様な努力があるのに気付かされた。
才能という言葉で諦めていた私に神童は怒ったんだ。
A｢......でもねどうしようも出来ない事だってあるんだ。｣
神童｢どういう意味だ？｣
もう怒られたっていい。
見放されたっていい。
これが現実なんだから。
A｢私は恵まれた体格とは言えず、むしろ女子の中でも小柄な方。
男の子の成長スピードにはどう頑張っても追いつけないんだ。｣
Aはこの一週間弱の出来事、そしてシュウからの課題を話した。
いつの間にか電話の向こうではピアノは鳴りやみ、神童の相槌だけが聞こえていた。
神童｢......確かにお前の言う男女の壁はどうしようも出来ないだろう。｣
そうだ、根本的にどうしようも出来ない。
いつかは痛感する壁だったのだ。
神童｢でも真綾さんはそれを乗り越えているじゃないか｣
A｢え？｣
お姉ちゃん......？
予想もしてなかった神童の言葉にAは一瞬思考が固まった。
だが最近は姉のサッカーを見る機会はめっきり減ってしまったが、男子相手でも互角......いやそれ以上のプレイを大人になってからもしていたかもしれない。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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花鈴萌(プロフ) - ゆーりさん» こちらこそありがとうございます……！頑張りましょう！！ (2021年10月18日 16時) (
レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - 花鈴萌さん» 長い作品ですがお読みいただきありがとうございます(泣)実は花鈴萌さんの作品が少し前から気になっており、時間の都合上全ては読めてないのですが、再執筆されている作品を読んでいるところでした！！お互い大変な時期ではありますが更新頑張りましょう！！ (2021年10月18日 12時) (レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 初めまして！とても面白くて一気読みしてしまいました……！お身体に気をつけて、更新頑張って下さい！ (2021年10月17日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - ゆーりさん» はい！楽しみに待ってます！ (2021年9月12日 21時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - アロンさん» ここまでお読みいただきありがとうございます！！！私も早く夢主に帰ってきてもらいたい......！！週に1話程度しか更新できず申し訳ないですが楽しみにしていただけると嬉しいです！！ (2021年9月12日 21時) (レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2021年8月9日 10時
