249話 ページ35
｢夢と言われれば....夢かもしれないわね｣
突然母親は抱きしめていたAを引き剥がし歩き出す。
A｢え、ちょっと！！｣
視界の悪さで姿を見失いそうになるが、Aは何とか立ち上がり走って追いついた。
｢ここは貴方の想いのセカイ。
そして死の世界に近い場所....だから貴方は早急にここを離れるべきなの｣
.....私は死にかけてるの？？
右を見ても左を見ても、もちろん前や後ろも霧による視界の悪さでちゃんと前に進んでいるのかさえ分からなくなる。
そんな中迷うことなく突き進む母の背中を追いかけ続け、どれくらいの時間がたっただろうか。
A｢え、あれ？？｣
母を追いかけていたのは間違いない。
そのはずなのに目の前からいつの間にかその姿が消えてしまったのだ。
それは辺りを見渡しながら歩き、意識から母親が消えた一瞬の出来事だった。
A｢お、お母さん！！｣
霧の影響か反響しない自身の声が消えていく。
A｢どうしよう.....情報が少なすぎる。｣
下手に動くことも出来ないし....。
もうちょっとお母さんから情報を早く聞き出しておけばよかった。
A｢私の想いか....。｣
よく分からないけど迷わずお母さんが歩き続けていたということはちゃんと出口が存在するのだろう。
A｢この霧がどうにか出来ればいいんだけど。｣
｢フフｯ.....本当に1人じゃ何も出来ないね｣
Aの背筋が一瞬にして凍りつく。
勿論突然声がしたからというのもあるが、その声はとても聞き覚えのある声だったからだ。
A｢....どういうこと？｣
声のした背後に顔を向けるとゆっくりと霧の中から現れる少女が目に入った。
｢そんなんじゃみんな飽きれて見捨てられちゃうね？｣
目の前にいる少女.....それは自身の幼少期の姿で間違いなかった。
｢頑張るのって大変だよね？疲れるよね？
だからもう休めばいい.....忘れればいいよ。｣
その時視界が大きく歪み、強い眠気のようなものに襲われる。
A｢なに.....これｯ。｣
｢ね、一緒に行こう？｣
目の前の少女がAへと手を伸ばした。
A｢やめてｯ！！｣
Aは咄嗟に少女から目を逸らし、伸ばされた手を強く叩き振り払う。
A｢みんなの元に戻らなきゃ！！｣
｢何で？戻ったら辛いだけだよ？｣
そんな事ない。
辛くなんてない。
Aはそう言葉にしようとしたが何故か言葉が喉で突っかかり、声にすることが出来なかった。
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花鈴萌(プロフ) - ゆーりさん» こちらこそありがとうございます……！頑張りましょう！！ (2021年10月18日 16時) (
レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - 花鈴萌さん» 長い作品ですがお読みいただきありがとうございます(泣)実は花鈴萌さんの作品が少し前から気になっており、時間の都合上全ては読めてないのですが、再執筆されている作品を読んでいるところでした！！お互い大変な時期ではありますが更新頑張りましょう！！ (2021年10月18日 12時) (レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 初めまして！とても面白くて一気読みしてしまいました……！お身体に気をつけて、更新頑張って下さい！ (2021年10月17日 22時) (レス) id: 7471f44b15 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - ゆーりさん» はい！楽しみに待ってます！ (2021年9月12日 21時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - アロンさん» ここまでお読みいただきありがとうございます！！！私も早く夢主に帰ってきてもらいたい......！！週に1話程度しか更新できず申し訳ないですが楽しみにしていただけると嬉しいです！！ (2021年9月12日 21時) (レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2021年8月9日 10時
