次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ43)

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41話ページ43

万能坂を破り準決勝へと駒を進めた翌日。

剣城｢小林先輩｣

放課後の練習へと向かうため、下駄箱で靴を履き替えていると剣城が声をかけてきた。

剣城｢ちょっとついてきてくれますか｣

突然の誘いAは固まるが大人しくついて行ってみる。

A｢え....乗れってこと？｣

剣城に黙ってついていくと校門の外に止まっている黒い怪しい車に案内される。

剣城｢別に誘拐するわけでもありませんから｣

A｢......目的地はどこ｣

こんな怪しい車に自ら乗ろうとは誰も思うわけが無い。

剣城｢フィフスセクターの本部、聖帝がお呼びです｣

聖帝？

Aは車へ乗り込むのに躊躇う。
敵陣へ1人で乗り込もうとしている事と一緒なのでは....。

でも敵を知るにはいい機会なのかもしれない。

剣城｢さっきも言ったように誘拐みたいに強制してません。｣

A｢わかったよ｣

Aは大人しく車に乗り込んだ。

外観から大きいなとは思っていたが、中に入るともっと広く感じる。

窓はカーテンが全てかけられ、運転席との間には壁があるようだった。

剣城｢ここには俺たち2人だけ、盗聴もない。
だから忠告だけしておいてやる｣

車が走り出し、静かな車内に剣城の声が響いた。

剣城｢必ずこのサッカー界に属するものはある程度のプロフィールと経歴がフィフスセクターの本部に登録される。
それは選手だけではなく、監督やマネージャーも対象だ。｣

A｢それはもちろん知っている。
入部の際に簡単なプロフィールは学校経由で提出。
経歴はフィフスセクターで調査.....だったよね｣

剣城は俯いていた顔を上げる。

剣城｢だが小林A、あんただけの情報はどこにもなかった｣

A｢え、そんなわけない。
ちゃんと入部の際、自分で間違いなく記入した｣

それは当時の監督である久遠監督や同級生も見ている中で書いたはず。

剣城｢確かに書面は提出されていたようだが、データベースに登録がなかった。
これはただフィフスセクター内のミスなのかもしれないが、この間の入学式の日にあんたが出てきたことで発覚。
フィフスセクター内で調査が入り、聖帝が大いにあんたのことに興味があるようだ。｣

だから指名で呼ばれたということなのだろうか。

A｢....話を聞く限り余りペラペラと話していい話じゃないようだけど？｣

剣城｢だからこれは忠告、他言無用だ｣

話が終わった直後、ちょうど目的地へと着いたのか車が停車した。