次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ38)

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36話ページ38

これで試合の勝敗指示通りであれば点を取る事も取られることも無く終わる。

しかし前半早々でこの展開。
無事に終わるわけがなかった。

試合再開直後、天馬の得意なドリブルで敵陣に攻め込むが、難なくカットされ、相手キャプテンの磯崎中心に万能坂は上がっていく。

磯崎｢試合はここからだ｣

磯崎のサイドを使ったパス。

A(？.......回転がおかしい)

すぐさまAはそのパスに違和感を抱く。

しかもパスにしては威力があるような.......。

その瞬間、万能坂選手の間にいた浜野の正面へと大きく曲がり軌道を変える。

浜野｢え！？｣

浜野はその突然な軌道変化とあまりにも正面な事で対応ができず、ふっ飛ばされてしまった。

A｢浜野！！！｣

ダメージにより浜野はすぐ立ち上がることが出来ない。

浜野｢だ、大丈夫大丈夫。
あまりにも正面でカットし損ねちゃった｣

いつも通りのヘラヘラとした浜野の態度に周りは安堵した。

しかしそこからが酷かった。

誰が見てもわかるようなラフプレーを万能坂は連発。
これはラフプレーで評判が悪かった天河原よりも遥かに上をいくプレーだ。

水鳥｢くそ、危ねぇじゃねーか！！
審判何でとめねぇんだよ！！！｣

A｢ｯ.......相手はラフプレーに手馴れてるんだよ。
上手く空いた選手を使って審判から見えないタイミングで行動している。｣

審判が見ていなければホイッスルはおろか、イエローカードを提示することも出来ない。

葵｢じゃあベンチは見てることしか出来ないっていうの.......。｣

あまりにも酷いプレーに雷門イレブンはボロボロにされ、ついに立ち上がることが出来なくなってしまう。

A｢入学式前に起きた黒の騎士団との試合そのものじゃん.......。｣

あまりにも目を逸らしたくなるような光景。

これ以上点を取られない事に気づいた三国までもがゴールを離れて上がるが、一撃でダウンさせられてしまう。

天馬｢俺はｯ.......諦めないぞ｣

しかしまたしても天馬1人が諦めず、何度打ちのめされても立ち上がってみせる。

A｢ボールをちゃんと見極めて最小限のダメージで抑えているのは凄いけど.......これ以上はｯ｣

Aは心配なあまり、膝にひじをつき口元で手を強く握りしめる。

円堂｢そろそろ前半が終わる。
ドリンクや氷嚢など準備してくれ｣

A｢.......はい｣

あまりにも変わらない円堂の表情にAは何を考えているのか本当にわからなくなる。