次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ32)

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30話ページ32

A｢.......さっきとは違うもっと大きな影。｣

神童『奏者マエストロ！！！』

先程の今にも消えそうな化身ではない。
ついに安定した化身を現すことに成功した。

神童『ハーモニクスｯ！！！』

強烈なシュートが天河原ゴールに襲いかかる。

隼総｢させるかぁｯ！！！！｣

しかし疲労しきった隼総の化身じゃ止めるにはパワーが足りない。

ゴールネットが揺れたと同時にゴールの笛、そして試合終了の笛が鳴り響いた。

天馬｢やったー！！！｣

西園｢勝った.....勝ったよ！！｣

2度目のフィフスセクターへの裏切り。

A(しかもこれはホーリーロード予選.....こんな大きな公式戦じゃ言い訳なんか出来ない。)

円堂｢これでまた大きな一歩を踏み出せたな！！｣

喜んでいるのは反乱への1歩を踏み出した選手とベンチにいる監督たちのみ。

A(.....これからどうなるのか)

次の日、部室内では一悶着起きていた。

南沢｢迷惑なんだよ....お前たちのサッカーを押し付けるの｣

神童｢ですがこの間の試合、中学に入ってから初めて楽しいと感じることが出来たんです。｣

天馬｢おはよう、ございます...。｣

1年2人が部室に元気よく挨拶して入ってきた。
しかし既に話し合いは始まっていた。

倉間｢お前らはいいのかよ廃部になっても｣

天馬｢廃部！？どういうことですか？？｣

霧野｢逆らって廃部になった学校はいくつもあるんだ｣

こんなサッカーに納得する選手なんてどこにもいない。

フィフスセクターが創設されて間もない頃、反乱を起こす学校は多かった。
しかし全てねじ伏せられ、いくつものサッカー部が廃部になったのを1年は知らなかった。

車田｢俺だって本気でやりたい.......でもサッカーが出来なくなるのはゴメンだ｣

天城｢全部の試合に指示が出る訳じゃないド.......真剣にやるのはその時でいいド｣

反乱に反対の意見がいくつも上がる。

霧野｢神童.......お前と気持ちは同じだ。
だが先輩たちの言うこともよく分かる。｣

A｢.......私も正直危険な道は渡って欲しくない｣

神童｢....そ、うか.......。｣

こんなバラバラな状態は練習にも影響が出る。

神童｢今日の練習メニューは.......｣

神童はバインダーから顔を上げると離れた場所に歩いていく選手たち

浜野｢神童.......わかってよ。
みんな自分のサッカーを守りたいだけなんだ｣

優しく微笑む浜野。
もちろん浜野も離れた場所へ行ってしまった。