次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ30)

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28話ページ30

神童｢教えてくれ.......。｣

神童の真剣な眼差しにAは怯む。
あの場では下を俯いてばかりだったが、反乱の意思は変わらないのであろう。

A｢相手の化身使い.....あれでも多分完璧に扱ってるわけじゃないと思う。｣

神童、霧野｢え！？｣

確信がある訳では無い。
なんせこの前の入学式で初めて化身というものを目にしたのだから。

A｢それでもやっぱりあの力にはそう簡単に勝てるわけじゃない。
神童の化身は必要不可欠な要素となると思う。
それと1年2人.......神童の神のタクトについてこられる実力が必要.......かな｣

神童｢.......やっぱり俺が化身を使いこなせなければ。｣

神童は有難うと言い残して控え室をあとにする。

霧野｢何故相手は使いこなせてないと思ったんだ？｣

A｢正直勘がちょっと入ってるよ。
入学式の日に見せた剣城の化身と比べて隼総っていう選手は出した後に疲労が見えた。｣

霧野は驚く。
突然現れた化身に周りは驚くしか無かったのに対し、Aは他の事が見えていたのだ。
もしかしたら突然の事でなくても、そこまで周りを見ることは出来ないかもしれない.......。

A｢多分相手も何度も化身を出すことは出来ないと思うよ。
しかも出す度にパワーは衰えていくと思う。｣

霧野｢神童も天才の領域には入ると思うが.......やっぱりお前は別格なんじゃ.......。｣

A｢何馬鹿なこと言ってんの？
まずは円堂監督の言葉を考える方が先なんじゃない？｣

Aは霧野を無理やり控え室の外に追い出し戸締りをし、そそくさとベンチへ向かっていった。

剣城｢霧野センパイ.......？｣

その場に残された霧野の背後から突然現れる剣城。

霧野｢なにしてるんだお前！？｣

剣城｢あの人面白いですね.......｣

剣城の目にはしっかりとベンチへと戻るAが映っている。

剣城｢男子にも負けないパワーを持っていながら洞察力に優れている。
しかし女子と言うだけで活躍の場がない.......面白いじゃないですか｣

霧野｢お、お前あいつに何かしたら容赦しないからな！！｣

剣城は怖い怖いといいながらベンチへと戻っていった。

霧野｢くそｯ......！！｣

自分の無力さと反乱への踏ん切りがつかずに苛立ちを隠せない霧野。

気持ちの整理が出来ないまま後半戦へと足を進めるのであった。