次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ29)

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27話ページ29

控え室の空気は最悪。

それもそうだ相手には化身を使いこなせる選手がいるがこちらは使いこなせてない未完成の化身使い。

そしてフィフスセクターの指示に逆らったという事実。

天馬｢皆さんどうしたんですか！！
まだ同点、頑張ってもう一点取れば俺たちの.......｣

剣城｢俺たちの勝ちか？
本気でそんな事思っているのか？｣

1人やる気がある天馬を遮る剣城。

剣城｢相手チームの隼総.......あいつも俺と同じシードだ。
キャプテン....あんたと違ってアイツは自在に化身を操る。｣

この実力差を目の前にして、フィフスセクターへの反乱に天馬以外の者がやる気を見せることは無かった。

円堂｢誰が勝敗を決めたんだ？
言っただろ誰であろうと勝敗を試合前に決めてしまうのは許されない。
決めていいのは勝利の女神だけだ｣

円堂は椅子から立ち上がり三国の元へ歩み寄る。

円堂｢三国.......お前は負けろと言われたのにシュートを止めようとしたな？
あれがサッカープレイヤーの本能だ。｣

三国｢あれはｯ.......。｣

Aは円堂の眩しすぎる背中に目を逸らす。

円堂｢お前たちは勝敗の決められたサッカーに満足しているのか？
本当に負けていいと思っているのか？
今1度自分の胸に問いかけてみろ｣

その時タイミングよく理事長とお付の2人が入ってくる。

理事長｢何を言っているのだ君は！！
フィフスセクターは絶対だ、監督として今1度言わなければいけないことを言うのだ！！｣

円堂｢.......言うべきことは今言い切りました。
あとは皆が自分で決めるんだ.......1人のプレイヤーとして。｣

そう言い残すと理事長らと共に円堂は控え室をあとにした。

残されたのは下を俯く選手と重苦しい雰囲気。

速水｢自分たちで決めろって言われても.......｣

浜野｢やっべ！！もう試合再開時間だ！！｣

時計の針に気がついた浜野の言葉で慌ただしく出ていく選手たち。

神童｢.......A、どうすればこの試合勝てる。｣

A｢え？｣

戸締りの為、最後まで残っていたA。
選手がまばらになってきたところで神童はAに声をかける

霧野｢どうすればって.......。｣

霧野も神童の声が聞こえ立ち止まる。

神童｢何か策があるんだろ？｣

A｢策って.......なんでそんな事わかんのよ｣

打開策って程ではないがアドバイスなら確かにある。
しかし何故それが分かったのか不思議でたまらないA。