次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ23)

今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:66,796 hit

21話ページ23

円堂にバレていたのが気まずいのか、出てきたメンバーは渋々グラウンドへ集まる。

円堂｢それじゃ、1本ずつシュートを打ってみてくれ｣

天馬｢えっと.......俺から行きますか？｣

1番を名乗りあげるものがいなかった為、天馬が手を挙げた。

倉間｢1年がでしゃばるな｣

その一言を放ち倉間が前に出る。

A(そんな強く当たんなくてもいいのに......。)

内容は至ってシンプル。
ペナルティエリアからゴールキーパーのいないゴールへと思いっきり蹴り込むだけ。

円堂｢いいシュートだ倉間！！
さすが雷門のFWだな｣

倉間｢くそｯ....｣

何か納得行かないのか倉間は不機嫌な態度で後ろへと下がって行った。

円堂の指示で次々とシュートを蹴る選手。

円堂｢うん、みんな実力は十分にある。
最後に剣城！！お前だけだ！！｣

｢｢え....！？｣｣

まさか剣城までも蹴らせると思っていなかったのか、その場が一触即発の空気に変わる。

円堂｢剣城サッカーやろうぜ！！｣

剣城｢ふざけるなｯ....！！｣

円堂の呼び掛けに剣城の雰囲気が変わる。

剣城｢見せてやるよ俺の実力を｣

剣城は相変わらずポケットへ両手を突っ込みながら歩いていき、ボールと共にグラウンドの中央に立つ。

A｢ほぉ、あいつペナルティエリアからじゃなくて中央から打つ気なんだ｣

いつの間にか円堂はゴール前に移動している
剣城のボールを止める気なのだろうか。

剣城『デスソードｯ！！！』

円堂めがけて放たれる剣城渾身のシュート。

神童｢あ、危ない！！｣

誰もが当たると思ったであろう。
しかし円堂はしっかりボールが見えている。

A(当たり前だよ.....相手はプロでも活躍したゴールキーパーだもん)

円堂はギリギリで顔を傾けボールを避けてみせた。

剣城｢なに！？｣

円堂｢凄いシュートだな！！やるじゃないか！！！｣

1人盛り上がる円堂。
剣城はそんな円堂が気に入らず、不機嫌そうにその場をあとにしてしまった。

円堂｢よし、今日の練習はここまでだ！！｣

浜野｢え？シュート1本だけ？？？｣

倉間｢学校のグラウンドじゃ見えないものって一体なんだったんだ。｣

たったシュート1本で今日の練習が終わってしまうことに拍子抜けしている選手たち。

円堂｢みんな勝つための特訓に来たんだろ？
なら見えたさ、本気で勝ちたいと思っている仲間の顔をな！！｣

円堂は明日は学校のグラウンドで待っていると満足そうにグラウンドを離れていった。