次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ18)

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16話ページ18

朝練の集合時間より早めに登校しようとしていた時、静かな部屋に霧野からの着信音が鳴り響いた。

A｢え、久遠監督が異動.......？｣

霧野『恐らく昨日の試合結果が原因かと思われる』

久遠監督の凄さは10年前のFFIから間近出みているため、他の誰よりも知っている。
知っているからこそ姉と一緒の環境で学びたかったのに.......。

A｢わかった、ありがとう｣

霧野『あ、おい！！』

Aは霧野の言葉を遮り電話を切る。

早く行ったところで監督に会える保証はないのにも関わらず、Aは全速力で学校へと向かう。

ちょうど校門付近に差し掛かった時、久遠監督が職員室に残っていたのであろう荷物を抱えて出てくるところだった。

久遠｢早いな小林｣

A｢監督.......もしかして昨日の一件のせいで学校を.......。｣

Aの問いに久遠は何も答えない。

久遠｢小林.......お前はお前だ｣

A｢え？｣

久遠は真っ直ぐにAを見すえている。

久遠｢姉に憧れると追いかけるは別物だ。
お前はお前の.......自分の道を貫け｣

そう言い残すと久遠は校門の目の前に止めていたタクシーに乗り込み去ってしまった。

A｢.......ありがとうございました｣

Aはそのタクシーが見えなくなるまで深々とお辞儀をしていた。

A｢.......朝練の準備しなくちゃ｣

久遠監督が外されるということはフィフスセクターから派遣される新しい監督が来るということだろう。

いつから来るか明確に分からないが、雷門サッカー部はここからが正念場となるだろう。

A｢なんだかんだ言って久遠監督は自由にやらせてくれてたからなぁ.......。｣

Aはとりあえず着替えをすませ、ボールを倉庫から引っ張りだす。

朝早くからグラウンドへ来ている理由は個人の練習の為。

通常の部活時間はメインは選手の練習の為、自分のために場所を使うことは出来ないのだ。

A｢.......何のために練習してんだろう｣

？？｢お、やってるな！！さすがAだ｣

フィールドの外から声をかけてきた人物。

後にその人物がきっかけとなり、このサッカー界を大きく変えていくこととなる事は誰も知らない.......。