次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ16)

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14話ページ16

天馬｢A先輩はそれでいいんですか｣

A｢え？？｣

重い雰囲気の中、突然Aに話をふる天馬。

天馬｢A先輩は入学式の日の試合、1番サッカーに向き合って戦ってくれてました。
こんなサッカーで納得してるんですか！！｣

サッカーに向き合え.......そんなことを訴えて来るような天馬の瞳に思わずAは下を向いてしまう。

A｢.......何か勘違いしてるようだね｣

天馬｢え.......。｣

Aは天馬の肩からそっと手を離す。

A｢ここにいる人達は誰一人納得なんてしていない。
だけど今の時代はサッカーの実力で内申に影響を及ぼすことだってある。
つまりフィフスセクターはここにいる人達の未来さえも思い通りにできてしまうの｣

天馬｢ｯ.......。｣

Aは顔をあげるが、その諦めたようなAの瞳に天馬は息を飲む。

A｢一時の感情だけで将来を捨てることは出来ない。
まして私は登録上はマネージャー扱い.......私に力なんてないんだよ｣

黙りこくる天馬。

神童｢後半が始まる.......グラウンドに入れ。｣

A｢使ったタオルはこのカゴにお願いします｣

重苦しい雰囲気の中、鳴り響く声援に囲まれたグラウンドに足を踏み入れる雷門イレブン。

後半のホイッスルが鳴り響くが、天馬は微動だにせずその場に立ち尽くしている。

葵｢天馬.......｣

音無｢監督！！天馬君を1度下げてAちゃんを入れた方が！！｣

ベンチではまともに試合へ参加できなくなった天馬を下げる抗議がでたが、久遠監督はそれを許さなかった。

A(あと1点…それだけ入って無事に試合が終わればそれでいい。)

後半も残り僅かになった頃、栄都学園は追加の1点を決める為、必殺シュートを放つ。

もちろんキーパーの三国はいかにも本気で止めに行ってるように必殺シュートを繰り出す。

ボールはゴールネットを揺らし、得点は0-3に切り替わった。

天馬｢....こんなの....絶対におかしい！！！｣

A｢あいつ...まさか.......｣

試合再開と同時に今まで動かなかった天馬がついに動きだした。

前線の神童や南沢を追い抜き、1人敵陣へと突っ込む。

｢なにｯ！？｣

不意打ちということもあり、天馬はあっさり栄都学園からボールを奪ってみせる。

天馬｢キャプテン！！｣

ボールは神童の元へ大きな弧を描きパスが出される。

しかしボールを取る気もない神童へのパスは、観客からはミスキックかのような軌道で逸れるだけであった。