次世代天才少女～揺らぐ信念、受け継ぐ思い～ (ページ11)

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9話ページ11

天馬｢まだまだこれからだよ！！｣

周りを鼓舞する天馬。

1人で神童へ立ち向かう姿に、足が止まっていた西園も動き出す。

通常のテストは40分程の時間で終わるが、今回のテストは日が暮れるギリギリまで行われていた。

A｢流石にもう終わりにしないとあの2人ぶっ倒れちゃうんじゃない.....？｣

目の前には今も尚、神童を抜いて見せようと奮闘する天馬のと西園の姿が。

神童｢諦めなければ何でも叶うと思うのか！！！｣

天馬｢ｯ.....はい！！｣

何度打ちのめされても諦めない天馬の姿に神童は怒りを露わにする。

神童｢ふざけるな！！！｣

神童渾身のボールが天馬へと蹴り出された。

｢｢！？！？｣｣

天馬はフラフラになりながらもボールに立ち向かい、弾き飛ばされる。

A｢うわ痛そう....｣

受身は取れていたが、今まで溜まった疲労が蓄積して動けるのが凄いくらいだ....。

天馬｢ボール奪いましたよ....今度こそ抜いて.....｣

しかしついにここで天馬の力が尽きる。

葵｢天馬！！

久遠｢テストはここまで！！｣

久遠の一言でとても長かったテストにやっと幕が閉じた。

天馬｢今ここで結果出るんだよな？｣

先程グラウンドで倒れ込んだ天馬だったが、すぐに立ち上がれる程度まで回復し、入部希望者全員が1列に並んでいる。

久遠｢......合格者を発表する。｣

神童｢.....今年は合格者はゼロだな｣

Aの横で神童が呟く。

久遠｢松風天馬、西園信助｣

神童｢！？｣

グラウンドに2人の名前が響き渡った。

久遠｢以上2名だ。｣

他にテストを受けていた入部希望者は2人だけが合格した事に猛抗議をする。
しかし久遠の圧がかかった眼差しを前に、すぐに捨て台詞を吐いて退散してしまった。

A｢凄い舐め腐った態度の1年だったね｣

霧野｢あぁ、久遠監督はちゃんと見極めていたんだろうな｣

グラウンドでは合格を喜ぶ2人の姿。
そしてAの隣では納得の行かない表情をするキャプテン、神童の姿。

発表後、何も無かったかのように立ち去る久遠監督。
抗議のためか神童はその後ろを走って追いかけて行った。

天馬｢改めて松風天馬です！！｣

西園｢西園信助です！！｣

2人はよろしくお願いしますと元気よく頭を下げた。

三国｢よろしくな！！｣

倉間｢ｹｯ.....どうなってんだよ｣

その輪には素直に歓迎する者、納得のいかない者で混ざりあっていた。