・・・ ページ10
＿＿＿＿＿＿＿
「……と、ここまでになります。ご清聴ありがとうございました」
にっこりと、また笑みを浮かべている。口と目は三日月の形に閉じられ、眉はひそめていない。
グリムはぽかんと先輩を見つめている。確かに、不思議な悪夢と言われてみれば、そう思わなくもない。あまりにも話の内容が出来すぎているし、作り話だと言われたら納得もできただろう。
手が震えていた。ぐっしょりと、額や首に嫌な汗をかいている。その様子をじっと、鋭いオッドアイが見つめていた。
「監督生さん、大丈夫ですか？ 僕の中では控えめに表現したつもりではあったのですが……」
「いや、あの、それもあるにはあるんですけど……」
そうですか、と、またにこりと捕食者は笑みを浮かべる。
「その反応を見るに……貴方はこの夢についてご存じである、という事でしょうか」
「……」
睨みつけられた時の恐怖とは違う、これは、いつものアレと遭遇した時と同じ恐ろしさだ。
ジェイド先輩は、私の世界の"あの世"と繋がった経験がある。
その事実を突きつけられた。先輩が話していた内容は、実際に身内でも経験したと話していた同級生とほとんど同じだ。救いだったのは、ジェイド先輩はそれを眺めていただけで、干渉してしまったわけではない、という事だけだった。
ツイステッドワンダーランドには、本来私の世界にあるような怪談、都市伝説のような話が少ない。本来は自分世界の住人を狙い襲いかかる存在なのだから、異世界のあの世と繋がる必要はないはずだ。なのに、どうして。
「……監督生さん？」
「……ジェイド先輩……」
わざとらしくきょとんとしてみせる先輩の右手を掴む。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青い紅茶(プロフ) - カリム氏????何で自ら招き入れちゃうのかな????(ヒント:純粋100%) (2022年8月13日 11時) (
レス) @page42 id: 7871dca46e (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - 凪さん» 感想ありがとうございます！不幸中の幸いでしたね☺ (2021年9月30日 11時) (レス) id: c288555a46 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 監督生ちゃんのおじいちゃん…助けてくれたんですね、ちょっとほっこりしました (2021年9月29日 23時) (レス) @page42 id: 0727e3cb02 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 元素さん» 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月19日 19時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - 星猫さん» コメントと評価ありがとうございます！これからものんびりと更新しますのでよろしくお願いします( ･ω･) _ _) (2021年9月9日 9時) (レス) id: c288555a46 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：元素 | 作成日時：2021年7月10日 19時
