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「本当にごめんなさい……!!」
「いや、もう謝らなくていいって、俺だって多分突然足掴まれたらああするから」
隣では笑い転げて悶絶するシエラがうずくまっている。
私はただひたすら蹴り飛ばした同級生――森永メイジくんに平謝りしていた。普段あんまり関わりのない分、なおのこと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。でも足首つかむのは幽霊じゃん……と心の中の自分が言う。
「でも本当によかった、誰かいなかったら俺あそこから動けなかったからさ」
「……えっ、も、もしかして怪我して……」
「あー、いや、違うんだ。怪我はしてないんだけど……」
動けないんだ。そう言って、メイジくんは視線を自分の脚に向ける。
一見何も変わりはなさそうで首をかしげていると、ふと彼は自分の太ももを片腕で持ち上げた。ぐにゃ、と彼の脚は縄のようにへたれ、それ以上動くことはない。あきらかに普通じゃない。
驚いて目をみはると、「やっぱ普通はそういう反応するよな」と彼は大きくため息をついた。
「どうなってるんだい、その脚」
「分かんねえ……気づいたらこうなってたんだよ。あいつ、俺の事置いてどっか行きやがって」
「あいつ?」
「……奥宮さんの隣にいる人……? みたいなやつ」
「えっと……悪魔?」
「悪魔、なのかなあいつ……」
「つまり代償として足の骨を貰われたってことかな?」
「……そういう事なんですかね」
いまいちはっきりしないのは、その悪魔が森永くんに説明をしていないせいらしい。屋上から降りてくるまでにそれっぽい人物は見かけなかった気がする。
「……どうする? 彼と契約した悪魔を探してみる?」
「うーん……でも、森永くんをこのまま置いていくのは……」
「いや、俺の事は気にしなくても」
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