検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:14,666 hit

ページ14

_____________



「本当にごめんなさい……!!」
「いや、もう謝らなくていいって、俺だって多分突然足掴まれたらああするから」

隣では笑い転げて悶絶するシエラがうずくまっている。
私はただひたすら蹴り飛ばした同級生――森永メイジくんに平謝りしていた。普段あんまり関わりのない分、なおのこと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。でも足首つかむのは幽霊じゃん……と心の中の自分が言う。

「でも本当によかった、誰かいなかったら俺あそこから動けなかったからさ」
「……えっ、も、もしかして怪我して……」
「あー、いや、違うんだ。怪我はしてないんだけど……」

動けないんだ。そう言って、メイジくんは視線を自分の脚に向ける。
一見何も変わりはなさそうで首をかしげていると、ふと彼は自分の太ももを片腕で持ち上げた。ぐにゃ、と彼の脚は縄のようにへたれ、それ以上動くことはない。あきらかに普通じゃない。
驚いて目をみはると、「やっぱ普通はそういう反応するよな」と彼は大きくため息をついた。

「どうなってるんだい、その脚」
「分かんねえ……気づいたらこうなってたんだよ。あいつ、俺の事置いてどっか行きやがって」
「あいつ?」

「……奥宮さんの隣にいる人……? みたいなやつ」
「えっと……悪魔?」
「悪魔、なのかなあいつ……」

「つまり代償として足の骨を貰われたってことかな?」
「……そういう事なんですかね」

いまいちはっきりしないのは、その悪魔が森永くんに説明をしていないせいらしい。屋上から降りてくるまでにそれっぽい人物は見かけなかった気がする。

「……どうする? 彼と契約した悪魔を探してみる?」
「うーん……でも、森永くんをこのまま置いていくのは……」
「いや、俺の事は気にしなくても」

|→←|



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:終末戦記   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:元素 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年8月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。