最 高 で 最 悪 2

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ある程度弾いて、ジフンさんの顔を見る。



WZ「お、お前、、、

まさか、耳コピじゃねえだろうな」




誰かに楽譜見せてもらったのか？


なんて言い出すから、私の方が驚いた。




「耳コピです。

かっこよすぎて覚えちゃったんですよね。

楽譜なんて、入ってすぐの私なんかに

誰も見せてくれないですよ」



多分私は、ジフンさんの曲を弾きたくてウズウズしていたんだと思う。





WZ「正直驚いた。

一回聞いただけでコピーされるなんて。

まぁ、ギターでもいいが、

俺はお前にベースを弾いてもらいたい。」




そう言ってギターを私の手から取り、

ベースを渡してきた。




なんだよ、選ばせる気なかったんかい！





「ま、まぁ、ベースが1番弾いていたので、

ベースで良いですよ。」



なんて言ってはみたが、

ジフンさんは話なんか聞かずに突然

部室の中央に歩き出した。




いや話聞けよ、部長さん。




WZ「お前ら全員聞け。

新しい新入部員の菖蒲Aだ。

こいつには今日からベースを担当してもらう。

それと、これからのライブは、当分Aに任せることにするから。」




突然紹介されたかと思ったら、

勝手にそんなことを言われた。



ねえ、待って。ついてけないよジフンさん。




［は、はぁ？！待てよ！！

じゃあ俺はどうすんだよ！！］



そう言って喚くのは、

昨日説明会で演奏していたベースのマッシュヘア男だった。



WZ「お前、やる気ねぇだろ？

そんなに出たいなら考えてやるが、

俺は実力があるものを使う。

女と遊んで練習サボるような奴とは

一緒に演奏なんかしたくないからな。」



［はぁ？！ふざけんなよ！！

なんで新入部員なんかにパート取られなきゃいけねぇんだよ！！

おいお前、ベース弾いてみろよ。

新人なんかに負けるわけねえから！！］



そう言ってマッシュヘア男は顔を真っ赤にして

私にベースを押し付ける。



楽器を雑に扱うんじゃないわよ！！





なんて思ったが、

確かに新人にパートを横取りされて

嬉しいやつなんて居ないよな。





［俺から弾く。お前は黙って聴いてろよな］




なんて、かっこつけてしゃしゃり出てくる先輩。



ねえ、必死すぎて笑いそうになったじゃないか。




お前のことは昨日の説明会で充分分かってるんだよ。



あんだけ下手な演奏を聴いて、

私は負ける気がしなかった。

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