ハッピーアンドアンハッピー

epi 6 ページ6

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廉「なぁ、A」

「………ん？」



廉「大事な話あんねんけど」

「えっ、なにそれ」



帰り道。

珍しくやけに静かやった廉が口を開けば
" 大事な話 " って。

………え？



帰り道とは違う方向に歩く廉についていくと
人気の少ない、細い道に入った。



「話って………なに？」





言おうとしては、やめる。
目の前で何回も繰り返されて



もどかしさのあまり、
" はやくして " とか " なんなの " とか
言いそうになるけど



廉のことやからそんなん言うたら
別のこと言うか、話やめてまうんかなって

こんなときまで謎の分析。





廉「………A」

「……………はい」



あまりに真剣な顔をしとるから
思わず、かしこまって敬語になってしまった。







廉「俺と、つきあって」



「……………へ？」





廉「だから………俺の彼女になれって言うとんねん」





そんなセリフにドキドキしながらも
一瞬、頭の中が真っ白になる。





「………もう、つきあってると思ってたんやけど」



廉「………え」



いやいやいや。こっちが言いたいねんけど。
え？って。

え。じゃあ逆に、
まだつきあってへんつもりやったん…？

なのに、あの日下駄箱のとこでキスしてこようとして
そんで今日の朝は手も繋いできて。

………え？





廉「ほ、ほんならなんで、今日の朝…」



廉の言いたいことが、やっと分かった。
今日の朝の出来事。

手を繋がれた私が戸惑ったこと。
それが多分、今の廉の発言に関係しとる。



なぁ…。言わなあかんの？





「………分からんかってん。どうしたらええのか」

廉「何が……？」

「どんな反応したらええのか分からんかったし、…びっくりしただけやねん、」



廉が何も答えんのがもどかしくて
でも、その顔を見ることはできへんくて



「………だからさ、男の人と手繋ぐのなんて初めてやったから………

って、なんでこんなこと言わなあかんの。」



思い切って顔を上げると
ポカンと口を開けとる廉。





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