No.046 ゲーム終了 ページ46
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「……なに？ゲンスルー」
「幻滅しないか」
「しないって。ごめんね、私が助けに行けなくて」
「いい。お前が無事ならそれでいい」
「あのね、私だってゲンたちが無事ならそれでいいんだからね？生きててよかった」
「ああ、してやられた」
「全部見てたから。ちゃんと」
俺の腕の中から逃れることを後回しにして、そのままサブとバラの拘束をほどいたAは、泣いた後の顔で俺の方を振り返る
俺たちの戦いが終わるのをひとりで待っているのは、大層怖かっただろう
それでも、戦闘に参加させなくてよかったと思った
Aの存在自体を山奥に隠して、カードも俺たちだけで所持して、戦いが終わったら俺のもとに飛んでくるために磁力のスペルカードだけを持たせて、待機させていた
Aの力を借りていればいまごろあいつらに勝っていたかもしれなくても、それはAを危険に晒すこととイコールだから、やっぱりこの選択は間違ってなかったと思う
「悪い」
「大丈夫だよ」
謝る言葉しか出てこない俺のことを、Aは強く抱きしめて、赤ん坊をあやすように優しく微笑んだ
俺たちのグリードアイランドはもう終わった
またイチからカード集めをスタートさせるには、俺たちが爆弾魔だと大抵のプレイヤーにバレてしまったし、能力も知られているし、あまりにも分が悪い
大人しく現実に帰るしか無さそうだ
バカみたいに青い空の下で、草むらに座り込んで、俺はAを抱きしめてほんの少しだけ泣いた
500億がもらえなくとも、4人でいられるならそれでいいかもしれないと、柄にもないことを思ったのだ
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「ねえ、ゲン」
「なんだ」
「聞いてもいい？」
「何をだ？」
「500億貰ったら何しようとしてたの？」
俺の右腕を支えにしながらゆっくりと歩くAが、おそるおそるという感じで俺を見上げた
予想外の質問に、思わず左右を歩くサブとバラと目を合わせる
そういえば、Aには言ってなかった
いまさら言っても言わなくても変わらないだろうが、なんとなくAの前ではカッコつけたかった
「ゲーム入ってから、その話してないよね？」
「ああ。まあな」
「だから最初から決めてたのかなって思ったんだけど、違った？」
「違わない。よくわかったな。えらい」
「誤魔化さないでよ」
頭を撫でたら、少し嬉しそうな顔をしたものの、すぐにふてくされたような表情になった
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
