No.030 クリア目前 ページ30
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「あいつらマジ生温い。話合わねえ」
「まあまあ」
「あとちょっとだろ？」
ニッケスやジスパーは悪い奴じゃない
それはわかっているが、ずっと一緒にいて、まだ呑気な考えをしているのは隣で見ていてイライラする
偽りの仲間と弱いフリして徒党を組んでゲームクリアを目指して5年近く経った俺は、Aたちのもとを訪れるたびにあいつらの愚痴をこぼすようになっていた
「根が甘ちゃんなんだよ」
「なんであいつらってお前のこと信用してんだろうなー」
「知らねえ」
「ゲンが取り入ったんだろうが」
「言い方悪いな」
「よしよしお疲れ」
あまりにひとりで行動しすぎて怪しまれては元も子もないから、ここに来るのは最低で1ヶ月に1回までと決めていた
もちろんそれより長い期間あいてしまうことなんていくらでもあったし、会いに来れてもすぐに戻らなければならないことも多かった
それでも一瞬でもAに会えれば、ストレスが軽減する
いまも俺の左腕に抱きついて嬉しそうにしているAの頭を撫でてやると、真っ暗な瞳をほんの少しだけ輝かせてキスをねだってくる
その小さなピンクの唇に軽くキスをしてやれば、もっとと強請るように首に腕を回して抱きついてきた
「ゲン、我慢しろよ〜」
「うるせぇ」
「おお怖」
「つーかキスしかしたことねえだろ」
「ま、そうだな」
俺はAと付き合っているわけではない
Aが俺のことを好きだとかそういう恋愛感情で見ているのかも定かではないし、なにより強 姦魔に襲われたことはAの中でひどくトラウマになっているはずだから、もし今後仮にそういう仲になったとしても手を出す気はさらさらなかった
こうして俺に懐いてくれているのは、ただ純粋にとてもかわいいと思うし嬉しいのだが
抱きしめるのも、キスをするのも、これ以上辛い目にあって欲しくないと思うのと変わらない、親愛に近い感情だ
「そろそろ行かねえと」
「もう？」
「ああ。悪い」
俺がそろそろと言って立ち上がりかけると、しょんぼりと落ち込んでしまうのを見るのが嫌だった
俺と一緒に居たいと思ってくれているのはもうわかっていたから、本当は悲しませたくなんかないのに、見るからに肩を落とした様子のAと別れるのが辛い
はやく全員を爆破して、4人でゲームをプレイしたいという気持ちが強くなる
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
