No.019 強制終了 ページ19
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「っくしゅん」
「あ、お前さみいんだろ！？」
「寒くないよ、くしゃみしただけ」
「だからそれが悪いんだよ」
「でも、」
「もう終わりだ。上がってこい」
「やだ」
「やだじゃねえ。ほら、体拭いてやるからこっち来い」
有無を言わせぬ口調で手を伸ばせば、Aはしぶしぶと泉の底に手をついて、こっちに向かって泳いできた
俺の膝に乗せた手から順番に、持ってきたタオルで水気をやさしく拭いてやる間、俺の手が胸に触れようが脇に触れようが尻に触れようが、Aは何も言わない
嫌だとか触れられたくないとか恥ずかしいとかは、あまり思っていないみたいだ
俺の膝を支えにして立ち上がったAの尻まで拭き終わって、そのまま膝の上に座らせた
置いていた服を着せて、足を拭いてから、義足をつける
何度もAの義足をつけてやっているおかげで慣れたものだ
「んーー、気持ちよかった！」
「だろ？やっぱ太陽浴びたほうがいいんだ」
「また来ようよ」
「そうだな」
「私ひとりでも来れるかな〜」
「は？ダメだよ」
「わかってるわかってる」
「俺たちが連れてってやるから、ひとりでは行くなよ」
「わかってるって。いまのは冗談」
「お前の冗談は冗談に聞こえねえんだよな」
「ゲンと一緒だね」
「変なとこばっか似やがって」
「へへ」
「おい、足痛くねえか？」
「うん」
「寒くねえか？」
「大丈夫だって」
靴下と靴を履かせてから、タオルやらを持って先に歩きはじめようとすれば、後ろから腕を引かれた
「なんだ？」
「ん」
Aが石に座ったまま、俺に向かって無邪気に両手を伸ばしている
つまりだっこして運べということだ
「……俺の腰を殺す気か？」
「私そんなに重い？」
「その聞き方はズルいだろうが」
連れて来た時と同じように抱きかかえてほしいと猫撫で声でねだってくるAに俺が逆らえるはずもなく、よっこらしょと掛け声をかけてお姫様抱っこをしてやれば、Aは嬉しそうに首に抱きついてきた
「お前軽いな」
「そう？」
「もっといっぱい食えよ。盗ってきてやるから」
「いまも十分食べてるよ」
「もっと食え」
「そんなに食べれない」
「軽すぎて心配になる」
「ゲンは何も言わないもん」
「言っても聞かねえからじゃねえのか？」
「重いって思われてるのかも」
「んなことはねえよ」
「ま、いつもだっこしてくれるから、ないと思うけどね」
「だよな」
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
