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No.040 殺す以外に使い道なし ページ40

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「バカだなあ、あの女」

「ゲンに色仕掛けってなー」

「最悪の交渉」

「しかもAのこと侮辱しやがって」

「地雷コンボさせてんじゃねーよ」

「たしかに」

「聞いた瞬間やべって思ったマジ」

「久々に爆破に巻き込まれるかと思ったわ」

「Aに聞こえてなくてよかったなあ」

「聞こえてなくてもあんだけ嬲り殺されてんだから」



サブとバラが隣でケラケラと楽しそうに笑って、俺は苛立ちが抑え切れなくてAの腕を引き寄せた



あの後、歯止めが効かなくなった俺が威力を最大近くまで高めたリトルフラワーであのクソブスの命を終わらせるまで、サブとバラはAを連れてそばの茂みに隠れていた
巻き込むつもりは到底なかったが、あとで聞けば久しぶりの大暴れだったらしい
早めに危険を察知してAと共に避難してくれたのはありがたい

Aはそれを間近で見ても特に俺の手のひらを怖がるわけでもなく、俺に腕を掴まれたまま不思議そうに俺を見上げていた

この綺麗で真っ暗な瞳が、これ以上暗くなったらどうしてくれるんだ



「あんなブス、殺す以外に使い道あんのか」

「ねーな」

「クズにAが穢されたのが許せねえ」

「そうだよなあ」

「殺しても殺し足りないな」

「ゲンちょっと暴れすぎだけどな」

「テメェはムカつかねえのか?」

「ムカついてるに決まってんだろ、ちっとは冷静になれ」

「チッ」



無性に苛立って仕方なかった
あんな温室でぬくぬくと生きてきたようなクソデブスの女に、天使みたいに優しいAが侮辱されたことが、はらわたが煮えくりかえるほど許せなかった
同じくらいイラついているはずのバラが、俺をなだめようとしてくるのもイラついた
あんなクソブス女の視界にAを入れたことも、Aを汚い手で指差したことも、侮辱したことも、何もかもが許せなくて、殺し足りないと本当に思う
いちばん苦しい死に方をしても許せないのだから、地獄に落ちていまも苦しんでいるといい

A自身はそいつの言葉をひとことも聞いていなかったことが、不幸中の幸いだった

俺のうしろでそいつのバインダーを覗き込んでいたサブとバラのさらにうしろにいて、そいつから奪った呪文カードを選別していたAは、フードをかぶっていたせいもあるだろうが、俺に無駄な命乞いをしている女のことなんて意識の外に置いていたらしい








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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね!ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです! (2020年9月28日 10時) (レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです!!!!ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます!改めて完結お疲れ様です! (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ライ | 作成日時:2020年9月25日 10時

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