先輩？そんなの関係ないですよね【名前変換オリジナル】

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先輩大丈夫かな……。
苦しそうにしていないかな……。
もしもベッドから落ちてたらどうしよう……。
もしも苦しくて涙が出ていたら……。

俺の胸を過る心配は止まることなく、どんどんと増えていく。
昼間は明るかった夜も20時になると、打って変わって近隣の灯りが紺色の空を飾っている。
先輩のお母さんまだ帰ってこないのかな？

冷えピタ変えた方がいいよね？それくらいいいよね？

目が覚めて怒られたら……と思うとちょっと嫌だけど先輩に怒られるのなんて慣れっこだ。勇気を出すんだ俺！！

ともあれ、先輩の様子が気にならないなんてそんなわけ無いのので俺は新しい冷えピタとちょっとの下心を持って部屋に入った。

若干苦しそうだけれど、少し落ち着いた様で先輩は穏やかな寝息をたてている。
冷えピタを貼り変えると少しピクリとしたけど、気持ちいいのか気持ちよさそうに眠り始め……。

「まだいたの？」

「えっ。起きて…る…先輩が…起きて…る！？」

「まだ頭に響くから静かにして欲しいんだけど」

「あ、すいません。でも体調はどうですか？」

少し気だるそうに体を起こした先輩は自分の額を触りこっちを見た。

「結構良くなったけど、まさかずっと変えててくれた？」

や、やっぱりずっと居座るの迷惑だったのかな……。そりゃそうだよな……。

「先輩が苦しそうで一人になんかできなくてごめんなさい」

黙り込んだ先輩は少しぼんやりとした目で俺を見て不意に手を伸ばした。

叩かれる！？
思わずギュッと目を固く瞑った俺を少し笑った先輩は俺の頭を優しく撫でた。

「ありがとう」

「えっ!!あ、えっと、あの、これは、あの？」

予想外のことについていけない俺を面白そうに見た先輩は満足そうに微笑んで俺にもういいから帰っていいよ。とだけ言った。

「でもまだ親御さん帰ってきてないし心配です……。」

「そろそろ親も帰ってくるし、もう大丈夫だから」

そう言った先輩にこれ以上居続ける理由もなくなった俺は荷物と一緒に先輩の家を後にした。

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