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*恋side*
「電話繋がった?」
「俺に家まで送り届けてくれないかって……」
そう言うと、先生は頭を抱えてうなり始めた。
「先生、どうかしたんですか?」
「いや、何もないわ。それじゃあ早退届書いておくから教室からカバンを取ってきなさい」
大きくため息を吐いてから、先生は机に座って何かの書類を引き出しから取り出し書き始めた。
それを眺めていると、動かない俺を不思議に思ったのか書類から俺に視線を写した。
「何してるの?ほら、早く。この子の分も持ってきてね」
「分かりました」
今度こそ保健室から出た俺は足を急かして2つの教室へと向かう。
先輩の教室に行った時は、かなりの視線を浴びたし『授業中に何やってんだ』って怒られた。
俺の教室に戻った時は、『社長出勤んらぬ社長退社かよ!!』って言われながら先生に理由を話すと
『送り狼になんなよ』とか言われたけど、それは無視した。
「それじゃあ、怪我させないように気をつけてね?」
「了解です。それじゃあ、さようなら」
「うん、さようなら」
両手には俺のと先輩のカバン。
背中には荒くて熱っぽい呼吸を繰り返す先輩を背負って俺はひんやりと涼しい保健室から夏の日照りの下へ足を踏み出した。
「先輩体重軽っ……」
先輩を一人ぐらいは背負えそうだ。
「ねー、せんぱーい。もっとちゃんと食べてくださいよー」
学校の前の坂を下ってる時も
「先輩の家っておっきいんですかー?マンションですかー?」
赤色の信号が青色に変わるのを待ってる間も
「先輩も小学生の時とかってココで色んな友達と遊んだんですかー?」
先輩の家近くの公園前を通った時も
「先輩って何で年下を好きになんないんですかー?俺を好きになってよ先輩」
返ってこないのが分かってても話しかけ続けた。
先輩に話しかけるネタが尽きないことに心底先輩に惚れてるんだなって思う。
「着いたっ」
白色のマンションはとても大きい。
エントランスを通ってドアの前に立った俺は、あらかじめ先輩のカバンから探し出しておいた鍵をポケットから取り出して鍵穴に差し込んだ。
先輩の家にこんな形で入るとは思わなかった。こんな形でもどんな家なのかドキドキが止まらない。
カチャッ。鍵が開いた。
「うわあ……」
ドアを開けた俺は、呼吸するのも忘れるぐらいの光景に俺は一瞬固まってしまった。
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夢叶(プロフ) - レルさん» ありがとうございます(*^_^*)亀さん更新ですががんばります! (2015年4月2日 22時) (レス) id: 42f54dee88 (このIDを非表示/違反報告)
レル - 後輩くん可愛いすぎ//// 更新頑張って下さい!!! 楽しみにしております!!!!!! (2015年3月26日 10時) (レス) id: 481bd8475c (このIDを非表示/違反報告)
minmi(プロフ) - 更新楽しみです! 頑張ってください! 後輩くん/// (2013年4月10日 22時) (レス) id: 8e6cf54ccb (このIDを非表示/違反報告)
菊池ふうみき(プロフ) - いや!!定着してると思います★SSもこれもキャラぶれてないですもん!** (2012年8月4日 15時) (レス) id: 5a80717d11 (このIDを非表示/違反報告)
夢叶(プロフ) - あゆゆさん» 分かります分かります^p^あたしもこんな後輩がほしいですw (2012年7月31日 18時) (レス) id: b5f5af4019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢叶 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kagurakamuisougo/
作成日時:2012年6月1日 19時