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言ってしまった ページ16

おなか一杯食べて、ほろ酔いな感じ。電車がなくならないうちに帰ろうと、ふたりで店を出た。


「Aさん、どの辺に住んでるの?」

聞いてみれば、早稲田と藝大の真ん中くらい。

「駅から自転車?」
「あ、うん、そんな感じ。」
「飲んじゃってるから乗っちゃだめだよ?」
「うん、わかってる、大丈夫。」
「帰れる?」
「帰れるよー。玲太くんこそ大丈夫?」
「僕はいいの、男だから。」
「なにそれー。」

ふたりでどうでもいい会話をしながら、手を繋いで駅まで歩く。
このまま駅でいつものように別れてしまったら、また元の距離。ただのライター仲間だ。
せっかく詰めたこの距離を広げたくない、違う大学なんだから尚更のこと、他の人にAさんを取られたら、と、
ぐるぐる考え始めたら、アルコールの影響が手伝って、どんどん思考が暴走していく。

「……Aさん。」
「…なに?」
「楽しかった、今回の仕事。」
「……私も。」

会話をしながら、繋いだ手の指を絡めていく。

今の状況で、走り出したら、止まるわけがなかった。

「え、れーた、くん…?」
「また、一緒に書きたい。」
「あの、玲太くん、私、」
「一緒に書けて嬉しかったんだ、連載にしたっていいくらいに、」
「ね、あの、手…!」

立ち止まって、絡めとった右手をぎゅ、と握る。

「この先、何かがあったとしても、こういう企画、他の人としないで。」
「れ、」
「お願い、」
「酔ってるの?」
「酔ってるよ、でも、自分のこと見失ってるわけじゃないから。」
「え、」


「好きなんだ、ずっと前から。」



…言ってしまった。

もう一度言って→←▽



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設定タグ:QuizKnock , 志賀玲太   
作品ジャンル:恋愛
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白黒(プロフ) - 月華さん» 私の書いた話がこんな素敵なお話が作られるきっかけになったのなら質より量で挑む精神も間違ってなかったですね!私も月華さんとこうやってお話できて嬉しいです◎ (2019年3月5日 0時) (レス) id: b3eb1b48b3 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 白黒さん» いやもう、ホントにガツン!とやられてしまったんです…!白黒さんに出会えたから、このお話ができたと言っても過言ではないほどに好きです(告白)。コメントいただいて少しお近づきになれて、すごく舞い上がってるので…! (2019年3月4日 23時) (レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 月華さん» わーありがとうございます!そうだったら嬉しいな〜とぼんやり考えていたのですが言いだすのが恥ずかしく言いだせないでいました……笑 (2019年3月4日 22時) (レス) id: b3eb1b48b3 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 美都さん» ありがとうございます。最後のおまけは、本当に突発的に思いついて書きました。まだまだsgさんブームは去りそうもありません、もうしばらくおつきあいください (2019年3月4日 22時) (レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 白黒さん» わざわざありがとうございます!ここだけの話ですが、最後に私が書いた大好きなお話と作者様は、白黒さんです(照)。最後の2話分は、私もお気に入りです。二人の混乱ぶりが書いてて楽しかったです。これからもよろしくお願いします。 (2019年3月4日 22時) (レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2019年2月25日 23時

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