たとえばここが、世界の果てでも３ (ページ35)

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次に目が覚めたのは、もう昼の時間だった。

ゆっくりと意識が浮上して、少しずつ覚醒していく。

腕の中には、しっかりAがいて。
ちょうど、目を開くところだった。

「…A。」

名前を呼ぶ声に、Aの視線が上がって俺を捉える。

「…樹さん、」
「おはよう。」
「おはよう、ございます、」

俺が先に目を覚ましたときにはいつもしているように、目元を撫でてやると
ふふ、と嬉しそうな声をこぼしている。

「……もう、昼なんだけど。」

壁際で振り子が音を立てている時計に視線を向けると、Aもそれに合わせて
時計を見て、ホントだ、と呟く。

「よく寝たな。」
「本当ですね、」
「変な時間に起こしちゃったからな。ごめんな？」

顔をのぞきこみながらそう言うと、

「私が勝手に起きたんです。」

と言って小さく微笑んでいる。

「…起きるか。」
「そうですね。」
「着替えて、出よ。ランチ。」
「はい。」

いつまでもふたりでぬくぬくとしていたかったけれど、さすがに腹も減ってきてるし、
そういうわけにもいかない。

どちらからともなく、小さく唇を合わせて、微笑みあう。

そのままベッドから抜け出して、顔を洗うためにふたりで寝室を出た。