検索窓
今日:1 hit、昨日:21 hit、合計:68,296 hit

30 ページ31

その夜、俺たちはこれからのことを話し合った。


「Aは、これから4年生だよなぁ。」
「そうです。」
「卒業したら、どうすんの?」

就職?進学?と言いながら、ミルクティをひとくち。

「………実は、未定、です。」
「そなの?」
「はい、本当は勉強も研究もしたいんですけど、」

たくさんの人に囲まれていると、疲れる…らしい。

「…人が少なくて興味ありそうななんか少数派的な研究室に入る、とか、できねーの?」
「それも、考えてました、けど、」
「けど?」

言いにくそうな空気を漂わせて、マグカップを両手で持って俯いている。

「A?」
「…はい。」
「なんか…言いにくい?」
「いえ、そういうわけでは、」
「…どした?」

うつむいた顔をのぞきこむと、意を決したように顔を上げて俺を見た。

「あの、樹さんのお家は、この街に、あるじゃないですか、だから、その、」

離れたくないです、と、蚊の鳴くような声で答えて、顔を赤くしながら
また俯く。


「俺も。」

離れたくない、と告げてAの髪を梳く。
初めて左手で触れたAの髪は、細くてさらさらしている。

そのまま、さらさらと零れ落ちる髪を梳いていると、ひとつ思いついた。
少し考えて、それを提案してみることにした。

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (103 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
251人がお気に入り
設定タグ:SixTONES , 田中樹 , スチームパンク   
作品ジャンル:SF
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月華 | 作成日時:2023年3月28日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。