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Extra edition 1 花火・1 ページ27

*Aside



 合宿を終え、夏休み中盤。

 私の部屋で課題を進める京治を私はじっと見つめた。

 ずっと前から京治と海行きたいなあ、とか、ショッピングしたいなあ、とか思っていた。

 そしてもう一つ絶対にしたい事。

 それは、二人で花火を見る事。

 近所の川辺で毎年花火大会がある。道の両脇に出店も出て、凄く賑やかなお祭りだ。

 でも京治は人混みあんまり好かないしなあ、と思いつつ、近所で貰った花火大会のチラシに目を戻す。毎年京治は『自分の家で見る』と言うのだ。

 「……A?」

ふと名前を呼ばれて、私はチラシを後ろに隠しながら顔を上げた。

「何?」

「……今、何隠した?」

 絶対見つかったら『俺あんま行きたくない』とか『そんな人混み行って大丈夫なの?』とか言われそうだ。

 私は引き攣った笑みを浮かべて、

「な、何でもないよ」

と答えた。

 京治は目を細めて私を見つめた。と、次の瞬間腕を摑まれてチラシが私の手から離れた。

「あっ」

「ああ、今年の花火大会?」

京治はそのチラシを手に取って目を通した。

「行きたいの?」

その言葉に私は顔を逸らしながら頷いた。断られるんだろう、と思っていると、

「いいよ、行こうか」

その言葉に私は「え」と驚いて顔を上げた。

 京治は「え?」と首を傾げた。

「行きたくないの?」

「いや、そう言う訳じゃなくて……京治人混み嫌いだから……」

私がそう言うと京治は優しい笑顔を浮かべた。

「Aが行きたい所なら何処でも行くから」

 その言葉にきゅうっと心臓が締め付けられた。

 こういう何気ない一言に京治の優しさが滲んでて、だから私は貴方がくれる言葉が好き。

 「行く代わりに一つ注文」

京治はチラシをテーブルの上に置きながらそう言った。

「は、はいっ」

私はすっと背筋を伸ばして身構えた。

 「……浴衣着てよ」

その言葉に私は固まった。京治は何事も無かったように課題を再開した。

 ……私、浴衣似合うかな、と思いつつクスクス笑った。

 「ほら、笑ってないで課題進める」

「はーい」

 京治の耳が少しだけ赤かったのは気のせいって事にしておいてあげよう。

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夏坂月下 - assassinさん» コメントありがとうございます! 私も赤葦君大好きです(^^♪ もう一つの方は今回とはまた違う感じだと思います(笑) 頑張ります! (2014年9月18日 21時) (レス) id: 8df53bc622 (このIDを非表示/違反報告)
assassin - 面白いです(*´ω`*)赤葦さん大好きです!もう一つの赤葦さんの作品も読んでみますね!他の作品の更新頑張ってください! (2014年9月17日 20時) (レス) id: 72c7de8b3a (このIDを非表示/違反報告)
夏坂月下 - 孤黒さん» コメントありがとうございます!! 番外編は半分自己満足だったのですが、そう言ってもらえて良かったです! 最後までお付き合いありがとうございました! (2014年9月10日 17時) (レス) id: 11ee644677 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - お疲れ様です。番外編おもしろかったです。 (2014年9月10日 6時) (レス) id: 8030f773df (このIDを非表示/違反報告)
夏坂月下 - 無双=俺wwwさん» お付き合いありがとうございました!! リエの全然更新できてないので……汗 これから頑張ります!! (2014年9月9日 19時) (レス) id: 11ee644677 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏坂月下 | 作成日時:2014年8月29日 15時

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