story253 ページ15
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緊迫した中で、必死に足を動かす。
後ろを振り向けば、すぐ近くに恐竜の姿。
私たちより何倍もある身体の大きさを持つその恐竜。
必死に逃げても、距離は広がることはなく徐々に縮まっていく。
「(このままじゃ危ない...!!)」
追われる恐怖と焦りから足が震える。段々と縺れてきた足に、信助が躓いた。
「信助！」
いち早く気づいた天馬が信助に駆け寄った。
信助の手を引き、再び走り出そうとしたその時、
「信助、天馬！危ない!!」
葵ちゃんが叫ぶ。
2人の頭上には、既に恐竜の影が迫っていた。
どうしよう、そう思った次の瞬間、私たちの横を何かが横切る。
「ｯ＿＿え!?」
中くらいの、恐竜。その上に跨っているのは、私たちと同じくらいの背丈の人影。
それは、真っ直ぐに信助と天馬、2人の元へ駆けていく。
喰われる＿＿!!
信助と天馬は咄嗟に身を寄せ合い、迫り来る恐怖にギュッと目を閉じた。
突如、頭上で鈍い音が響く。
その音にそっと目を開けると、今まさに自分たちを襲おうとしていた恐竜が、大きな音を立てて地面に倒れていた。
代わりに目の前に立っていたのは、中くらいの恐竜。
「...パキケファロサウルス??」
「助けてくれたの？」
呆気に取られていると、パキケファロサウルスの背後から起き上がった恐竜が再びこちらへと牙を向けた。
その咆哮に、身体が震える。
すると、その恐竜に威嚇するかのように誰かの大きな声が響いた。
「ガオ〜〜〜ｯｯ!!」
頭にドクロ冠を被った、緑色の髪。赤い貫頭衣を身につけたまるで、原始人の子どものような風貌の少年が、その威嚇で恐竜を追い払っていった。
その様子を、ポカンと見つめる私たち。
どこからどう見ても、私たちと同じ人間だった。
恐竜時代に人間はいないはず。少し前に神童センパイがそう言っていたし、それは当然のことなはず。
「なんで、」
「ムム、お前は一体何者なんだ!!」
ワンダバが問いかける。すると少年は威勢よく答えた。
「オイラ、トーブっていうんだぞ！なんか文句あっか!?」
「喋った!?」
驚きが隠せないかのように、フェイが言った。
人類がいないはずの恐竜時代に遭遇した、人間。
しかも私たちと同じように言語が話せる。意思疎通が出来る。
トーブと名乗るこの少年は、一体何者なんだろう。
混乱していると、トーブはふんふん、と私たちの匂いを嗅ぎ出した。一体なんなんだ。
「ン〜〜、ガオ〜〜〜ｯｯ!!」
........一体、なんなんだ???
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蒼乃(プロフ) - ビジュさん» ビジュさん!!残念至極、最近見つけて読んでいます！夢主ちゃんの心理描写がぐさぐさと刺さって感情移入がすごいです...。最近まで更新停止してしまっていた者ですが、こうして温かいコメントを頂けて嬉しいです。ありがとうございます！お互い頑張りましょうね！ (2月12日 20時) (
レス) id: 8dc0166a3f (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - ルビーさん» コメントありがとうございます！更新を長く停止してしまっていた中、この作品を見つけて読んでくださり嬉しい限りです。今後も更新は不定期の予定ですが、完結までは時間がかかっても書き切りますのでよろしくお願いします...!! (2月12日 19時) (レス) id: 8dc0166a3f (このIDを非表示/違反報告)
ビジュ(プロフ) - コメント失礼します。蒼乃さんの描かれるフェイくんとの絡みが最高です…！丁寧な描写に引き込まれました！体調に気を付けてご自分のペースで頑張って下さい( ꈍᴗꈍ) (2月12日 19時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー - こんにちは！続きがすごく楽しみです。更新頑張ってください！ (2月12日 15時) (レス) @page40 id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 雨宮紫織さん» 更新が不定期続きで更新詐欺のようになってしまい申し訳ございません...。いつも温かな応援をありがとうございます。今後もどうぞよろしくお願いします！更新放棄はしておりません！ｶﾞﾝﾊﾞﾘﾏｽ...!! (2月9日 20時) (レス) id: 8dc0166a3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼乃 | 作成日時：2019年7月17日 21時
