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もう逃げらんねえぞ?と男達は少女を睨む。
「あ?誰だお前ェ」
彼らは、女を見て続ける。
「なあ、そこの別嬪な嬢ちゃん?今そいつをこっちに渡せば、見逃してやるぜ?」
しかし、女は無言でこちらを見つめるだけだ。少女は、女の腕を握りしめる力を強めた。
「大丈夫だよ」
女は意識は男達に向けたまま、少女へ話しかける。
「私が合図をしたら、目と耳を塞いで、十数えて。数え切るまで、絶対に様子を伺っちゃいけないよ」
少女は困惑し、さらに女を心配する。そんな彼女に女は、心配しないで、と声をかけた。
「どうやら痛い目見てもらわないとわからないようだねェ?」
すると、男達はあるものを取り出した。少女は怯えた声をあげる。
「ヒプノシスマイク…」
「そうだ。大人しくそのアマを渡せ」
男達は彼女らを睨みつける。すると、女は静かにくすりと笑って、彼らを冷めた目で見つめて云った。
「奪えるもんならやってみな」
其れを聞いた男達は頭に血が上ったのか、マイクの電源を入れた。独特な機械音が周りに響く。
「数えて!」
「は、はい!!!」
少女は、先程女に云われた通りにした。
目を瞑る前に見えた光景は、男達が謎の文字列のような光を放ちかけた女に向かって、リリックを仕掛けようとするところだった。
.
丁度十数え終えた少女の肩を女が叩く。
もう大丈夫だよ、と笑った女の後ろには、違法マイクを持ったまま、仰向けに倒れる男達の姿があった。少女は、自身が目を瞑る前に見た光景を思い出す。女性は男性に比べてリリックの影響を受けやすい。しかし、女は無傷で凛とその場に立っていた。
「あの、リリックは…?」
「仕掛けられる前に先手打ったから受けてないよ」
それよりも、と女は少女に怪我をしていないか、と尋ねる。無傷なことがわかると、女はほっと胸を撫で下ろした。とりあえずここから出よう、と声をかけ、人通りの多いところへ出ようとした時、焦ったような男の声が聞こえた。
「合歓!!!」
「あっ、お兄ちゃん!!!」
女が振り返った先には、少女と同じ銀髪の男が数人と共にこちらへ駆け寄ってきている姿があった。
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ウルクの民はここにいます…(プロフ) - 面白い、非常に面白い、けど……どついたれ本舗を出して欲しいという俺の身勝手な欲がすご((((殴…はい、すみません。めっちゃ面白いです。なんか、こう、ありえないものとありえないもののクロスオーバー以上に面白いものってないですよね!更新頑張ってください! (2019年10月24日 2時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
GEJI(プロフ) - 陰陽者★さん» 面白いと言って頂いて、応援もして頂いて、とても嬉しいです。コメントありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 0228df9648 (このIDを非表示/違反報告)
GEJI(プロフ) - (・〆・)さん» 面白いと言って頂けて光栄です。コメントありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 0228df9648 (このIDを非表示/違反報告)
陰陽者★(プロフ) - 読ませていただきました!!とっても面白いです!!更新頑張ってください!応援してます! (2019年10月15日 23時) (レス) id: d13a51a86c (このIDを非表示/違反報告)
(・〆・) - とても、面白いです。頑張って下さい。 (2019年10月15日 23時) (レス) id: 28d7760291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GJ | 作成日時:2019年10月14日 17時