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十四話 ページ15

あの後、三人を無事家まで送り届けた洗足は
抱えきれない程のお礼の品を押し付けられ、帰路へと着いたのだった。


良い布が手に入ったようで、彼は非常に上機嫌だ。



『後で何か服を織ろうか』


まるでお母さんだ。


彼が着る上品な着物達は、彼の細く美しいその手で織られたものだった。

細く女性らしい彼は想像以上に力がある。


一体全体彼の美しいあの身体の何処にその力が秘められているのか、それは全くもって分からない。



大荷物を軽々しく持ち上げる洗足は、雪の積もった山道をスタスタと歩く。

妖奇庵まであとわずかだ。






不意に彼の足がピタリと止まった。




『……はぁ…また厄介なことにに巻き込まれそうだね』


目の前には少女を背負う少年が立ち尽くしていた。


「あ、あの…」


チッと軽く舌打ち。

その舌打ちに少年はビクリと肩を跳ね上げた。




『ビクビクしてんじゃないよ、困ってんだろ

早く妖奇庵(ウチ)に入りな』



顎でくいっと指された方を見ると、今まで無かったはずの場所に大きな屋敷が建っていた。


『ボケっとしてないでその貧相な足を早く動かしたらどうだい。

そんな場所に立たれたら邪魔だよ。
その気が無いなら戸を閉めるからね』



形の良い彼の薄い唇からは、次から次へと胸に刺さる辛辣な言葉が出てくる。


この性格が、彼が弟子を取らない一つの理由でもあるのだがその話はまた後日語ることにしよう。



「でも…鍵が」

『こんな山奥で鍵なんざかけやしないよ。
ここらで勝手に家に入ってくるのは熊だけさね』



いや、熊入ってくるんかい。

と、少年は思ったみたいだが口には出さずぐっと堪えた。



「し、失礼しまs((ギュルルルル」
『喋るか腹鳴らすかどっちかにしな』


そう言いながら彼は家へと入っていった。



「あっ…えっ……!今、どうやって」
『足で戸を開けて何が悪い』



どうやら足癖が悪いらしい。

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海馬 香鷹(プロフ) - 刹那さん» ありがとうございます!亀更新ですが、私なりに頑張りますのでよろしくお願いします……っ! (2019年9月23日 22時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - 面白かったです!!続き待ってます! (2019年9月21日 19時) (レス) id: 48a49b3a4b (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - 天神人狼さん» ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします……! (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
海馬 香鷹(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございますっ! (2019年9月17日 23時) (レス) id: 9428df9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
天神人狼 - あー………好きです(突然の告白)待ってます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: fb4ece15fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海馬 香鷹 | 作成日時:2019年9月16日 17時

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