第5話 ページ7
「はい。夏目くんの友人の、司波深雪と申します…貴女は……」
「あら、貴志くんのご学友でしたか。それは失礼致しました。貴志くんの親戚で、同居人の、夏目りんです。皆様、私のことはりんとお呼び下さい」
深雪に続いて、全員との自己紹介を終えた頃、丁度、夏目が全員分の茶を持って来た。
「あれ、りん。もう挨拶したのか?」
「貴志くん。ええ、今、ご挨拶し終えたところよ。でも、良かったわね。友人がこんなに早く作れて」
「ああ。そうだな……まあ、自己紹介が終わったんだったら、みんなから聞いたか?」
「…? 何を?」
「だから、前に一度言っただろう? お前の家庭教師探していて、俺の学校の友人たちが、それを引き受けてくれた、って」
「…もしかして……」
「このみんなだよ」
それを聞くと、パッと達也たちの方へ向いて、少しの間、ジッとしたまま、全員を見つめていた。
「……良いわよ」
「やっぱり駄目だっ……え?」
「この皆様に、お勉強を教えて戴きたいわ」
「どうして……? 前まで、ずっと嫌がってたのに……」
そうだ。
りんは、どんな相手でも反抗した。
しかし、今、夏目の友人を紹介すると、予想外な程に、すんなりと承諾した。
「理由は色々あるけれど、貴志くんの友人で、魔法師である、と言うことかしら。前まで、貴志くんが紹介してくれた方々は、皆さん全員が人間、いえ、一般人の方だったんだもの。私が危害を及ぼしてしまっては大変でしょう?」
危害を及ぼす前提なのか⁉︎、と言う突っ込みを達也たち全員が心の中で呟いたのが聞こえたのか、いなかったのか、
「魔法師の方なら、どんな時も自分の身は、最低限守ることが出来る、と思ったからよ」
と、少々的外れな理由が返ってきた。
「……まあ、貴志くんのご友人なのですから、今日はごゆっくりして行って下さい。だから貴志くん、家庭教師は次から、と言うことで良いかしら?」
急に話を切り替えたりんは、夏目の話を聞きもせず、達也たちに聞いた。
「まあ、りんがそう言うなら、良いか。じゃあ、みんな、よろしくな」
「ああ。こちらこそ、貴志、りん」
「ええ、よろしくお願い致します。皆様」
そうりんは、優しい、小さな花が咲いた様な微笑みで言った。
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yuumin - 面白いですね。あと、D組だと一科生になりますよ。長文失礼しました。 (2022年8月5日 10時) (レス) @page32 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 白沢未海さん» 分かりました? チョッと要素入れてます^ ^ タグつけた方が良いですか? (2015年6月4日 15時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
白沢未海(プロフ) - ナビ・ルナ好きですか? (2015年6月4日 14時) (レス) id: 455b50df85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 一颯さん» 教えてくださって、ありがとうございます!全然気付かなくて…… (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 麻衣ちゃん、ありがとう!私も応援しています! (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目りん | 作成日時:2015年3月3日 15時