第1話（プロローグの続きです） ページ3
午前の授業が終わった直後──まあ、朝から噂されていた渦中の転入生なのだから、当たり前と言われればそうだろう──夏目貴志は質問攻めに合っていた。
そして、他のクラスの生徒も訪れ(一科生も二科生の教室に訪れたのだ)、教室の人口密度が物凄く高くなっていた。
達也はそういうことに興味はあまりない。
だから、自ら率先して、あの中に入ろうとは思っていなかった。
──深雪が来るまでは。
◇ ◇ ◇
「深雪、お前まで来るとは思わなかったよ」
達也は、深雪の姿を(正確には、教室に入る前に、だが)確認すると、少しの迷いもなく、人混みの中に入って行き、声を掛けた。
「お兄様。興味本意で来たのではなく、このクラスのカウンセラーの小野先生が、生徒会の仕事として、転入生の夏目くんをサポートして欲しい、ということでしたので、ご挨拶をさせて戴こうと思ったのですが……」
そう言って夏目の方を向いたが、人が多くて夏目の影すら見えなかった。
「じゃあ、今日は一緒に昼食を取るのか？」
「はい。そのつもりですが……ダメですか？」
深雪に訊かれるとなんでも反対は出来ない達也は、
「判った」
少し待っていろ、と達也は言い、達也が夏目のいる、渦の真ん中に来た。
「夏目、昼食は俺たちと食べないか？」
と、夏目を誘うと、深雪やエリカたちも近づいて来た(深雪が来た時、全員が道を譲った)。
「あ、ありがとう。そうさせてもらうよ」
夏目は、笑みを浮かべてそう言った。
皆は、その笑みを安堵の笑みと受け取った。
──しかし、達也には、他人との間に『一線』引いているように見えた、ような気がした。
◇ ◇ ◇
「生徒会副会長の司波深雪と申します。
貴方の世話役をさせて戴きます」
九人(達也、深雪、夏目、エリカ、レオ、幹比古、美月、ほのか、雫)の席を確保して食べ物を取りに行って全員が席に着いた時、深雪が夏目に優雅に挨拶した。
「あ、いえ、こちらこそ、よろしくお願いします。皆さん、さっきは色々とありがとうございました」
その深雪の挨拶に恐縮したからか、元々こうなのかは判らないが、少しオドオドしながら(しかも敬語で)話した。
「いや、礼を言われる様なことはしていない」
そう答えたのは達也だった。
「敬語じゃなくても良い。それに、深雪と区別が付かないだろうから名前で呼んでくれ」
達也の申し出に続き、後の八人もそう言った。
すると夏目は「ありがとう」と少女の様な笑みで答えた。
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yuumin - 面白いですね。あと、D組だと一科生になりますよ。長文失礼しました。 (2022年8月5日 10時) (
レス) @page32 id: 79387fae85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 白沢未海さん» 分かりました？ チョッと要素入れてます^ ^ タグつけた方が良いですか？ (2015年6月4日 15時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
白沢未海(プロフ) - ナビ・ルナ好きですか？ (2015年6月4日 14時) (レス) id: 455b50df85 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 一颯さん» 教えてくださって、ありがとうございます！全然気付かなくて…… (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
夏目りん(プロフ) - 麻衣ちゃん、ありがとう！私も応援しています！ (2015年4月13日 7時) (レス) id: 25a8f2a381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目りん | 作成日時：2015年3月3日 15時
