▼ ページ24
．
．
．
「……」
．
．
．
雅紀はまだ、「おかえり」って言ってくれる状態じゃなかった。
翔「傷があまりにも酷いんだ。
さっきまでの呪いで悪化しちゃったし、ここまでくると、もはや素人の手には追えない」
汗も引いた。
苦痛に顔を歪ませることもなくなった。
だけど、雅紀は青白い顔のまま眠ってる。
和「呪術かけたヤツ、本当にイイ性格してますね。解かれたときの場合のこともちゃんと考えてたみたい」
智「後遺症みたいな？」
和「まあ、そんなもんです。
ほっといたら傷口から体が腐っていきます」
腐っ…⁉
「ねえ、素人で無理ならプロに頼もうよ。
妖怪にもお医者さんくらいいるでしょ？」
「「「……………」」」
なんで、そんな意味ありげな渋い顔？
翔「あのね。こっちの世界の医者って滅多にいないんだ。
種族は多いのにそれぞれに合った治療をしないといけないし、下手したら自分の天敵の世話もしなきゃいけない」
「お医者さん、いないの？」
翔「いや、いる。てか、知ってる。
しかも凄く腕のたつ医者。ただ、ね」
歯切れが悪そうに翔が話す。珍しい。
「めちゃくちゃ料金が高いとか？」
翔「いや、そうでもない。かな」
和「安い方ですよ。あそこ。
ーーただ、女性しかうけつけてくんないんです」
ほんの一瞬、会話に、変な間が出来た。
「なんの問題も」
潤「あるんだよ」
「私が行けば」
翔「喰われたい？」
「じゃあ今まではどうしてたの⁉」
和「それ、聞いちゃうの？」
智「ききたいなー」
和「おじさん。からかうんならあっち行っててください」
なんか、また
状況が読めない。
智「才能が裏目にでたねー」
和「あーもぉー！さいーあくっ！」
智だけ、ニヤニヤしてる。
どういうこっちゃ。
智「んふふ。教えたげる」
カズの側からするりと移動して、私の隣に寄り添う智。
耳元で、内緒話をするときみたいにするから
くすぐったくてしょうがない。
智「あんね。
ニノは決定事項だけどね。
松潤か翔くんのどっちかは、女装しなきゃいけないの」
くふふ。
耳に、生暖かい吐息がかかる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じぇりー x他1人 | 作成日時：2015年3月6日 15時
