【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ6)

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5話　名前ページ6

ミツキが呆れ気味にそう言うのと同時に、
「それにどっちかってーと…こりゃあ逢い引きだな！ムフフフ…」
と言う白石の言葉が聞こえ、思わず
"そのニヤけヅラを海に突き落としてやろうか"
と口に出しそうになったがやめた。

貴『これ、あとどのくらい掛かるんでしょうね…』

白石「たしかに…おい、これいつまで乗ってりゃいいんだ？」

男「フンペが毒で弱るまでだ！」

貴『それってどのくらいで…？』

男「あと一日か二日…運が良ければ自分で岸に突っ込むかもしれん！」

そんなにかかるの…？
ミツキと白石はそのアチャポの言葉を聞き、軽く絶望した顔をする。

白石「帰っていい…？」

貴『本当に帰りたい…』

…

男「フンペが岸まで運んでくれた…運が良かったな、お前達！」

白石「そーね…」

アチャポにそう言われながら、岸になんとか打ち上がったクジラのそばでミツキは大きく伸びをする。

貴『は〜〜…やっと打ち上がったぁ…明日絶対体痛くて動けないやつだぁ…』

白石「意外だな…てっきり俺はミツキちゃんのこと、土方の野郎に仕込まれた生物兵器か何かかと思ってたぜ」

「なんだそれは…」と呆れていると、さり気なく下の名前で呼ばれていることに気が付いた。

貴『……今───』

その時ミツキの言葉と被さるように、杉元の声が聞こえる。

杉元「白石！第七師団が来るぞ！船に乗れー！」

白石「んお……？…げ…！！！」

貴『ん？どうかしました？』

突然焦りだす白石に、ミツキは首を傾げる。

白石「ありゃ辺見だ！！」

貴『え？！』

白石「杉元！！うしろーッ！！そいつが辺見和雄だぞッ！！」

杉元「…へ？」

飛ぶ弓矢、振り下ろされる刃物と、そこからは血生臭い戦いが繰り広げられている様を、打ち上がったばかデカいクジラの隣で、ミツキはただ白石と眺めていた。

血生臭いのは苦手なんだよなぁ…。
……ん？

貴『…！！もうすぐそこまで第七師団が来てる…！捕まったら面倒だな…』

そんなことを呟いた直後、海から突如顔を出したシャチに、辺見と呼ばれた男の体が持って行かれてしまった。

杉元「ええぇ？！」

貴『！ひ…ッ』

白石「なんだこりゃ！！」

アシ「レプンカムイだ！！」

私ならあんな死に方だけはしたくないなぁ…

そんなことを考えて目を手で覆っていると、
「舟に乗れ！刺青がシャチに食われちまう！」
と杉元がそう叫んだ。