【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ50)

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49話　真顔じゃつまらないページ50

そう言って白石に手を貸し立ち上がらせると、全裸で寒そうな白石の肩に彼がいつも着ている半纏を掛けた。

白石「…？なんでこれをミツキちゃんが持ってるの？」

貴『どうせ白石さんのことだから、フリチンで森に入ったんだろうなと思って事前に持ってきただけですよ』

白石「…ミツキちゃん……！」

羽織を着ただけのフリチン白石の抱きつきを華麗に避け、リュウの嗅覚を頼りに森の中を進んでいると、酷く見覚えのある後ろ姿を見つけた。
牛山と土方、永倉だ。

貴『！！土方さん…！？』

土方「ミツキか。また見ないうちに、随分と目つきが変わったな」

貴『お陰様で。
……銃声…！』

その時、パァンッと遠くの方で銃声がした。
ミツキ達は急いでリュウを先導させながら向かう。

土方「お前達はここで待ってろ」

それだけ言うと、牛山と共に廃旅館の中へと突入していった。

貴『とりあえず、なんとかなったみたいですね』

白石「あぁ、半裸で少し寒いが……って！あぁッ陽の光がッミツキちゃん見ないでぇ！」

貴『何言ってるんですか、とりあえずその鼻血拭くので顔見せてください』

そう言って白石の顔を掴んで引き寄せ、持っていたタオルで拭いてやる。

白石「あれ…なんかこのタオル…」

良い匂いがする…というか、近すぎる…！

白石は微かに香る女性特有の良い匂いにドキドキと鼻の下を伸ばしながら、ミツキに大人しく鼻血を拭かれる。

貴『あ！これ私の頭拭いたタオルか…まあ、我慢してください』

白石「……う…ウーーム…ッ」

貴『？』

…

そして、一同は北見の写真館へとやって来た。

キロ「なんだって急に写真なんか…」

杉元「アシㇼパさんの写真をフチに送ってあげようと思ってね。せっかくだから、思い出にみんなで撮ろうぜ」

貴『写真…か』

ミツキは服の袖からクシャクシャになったボロボロの写真を取り出し、そこに写るかつての家族の姿を見つめる。

白石「おーい、ミツキちゃ〜ん！一緒に撮らなーい？ん？それなぁに？」

さっと袖に仕舞い込み、何事もなかったように白石にいつも以上に微笑んだ。

貴『撮りましょうか、写真！』

白石「お、おう……大丈夫？」

貴『何がですか？早く撮りに行きましょう』

そうして二人はあーでもこーでもないとポーズを変える。

白石「もうちょっと距離を近く…」

貴『近すぎですよ』

そうしてカメラは笑顔でガッツポーズをしてふざける二人を捉えた。
二人を知る者なら"彼ららしい"と笑える一枚だろう。