【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ49)

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48話　夜目ページ49

男「集団で村ごと襲う時は、必ず月の出ない新月に襲ってくる」

なるほど。新月前だと姿を見られて不利になるのか。
そう考えていると、杉元が口を開いた。

杉元「新月まで待つより、奴らの寝床を見つけた方が手っ取り早そうだ」

男「この近くに和人が経営する温泉旅館がある。何か聞けるかもな」

白石は温泉という単語に反応し、ミツキの方をチラリと見た。

白石「温泉か〜！混浴だったらいいなぁ〜なはは〜」

貴『……何ゅ言いよるか…』

むっとした顔で囲炉裏の火を見つめるミツキの顔は赤く、炎の照り返しのせいなのかはたまた別の何かなのか。

…

そして、温泉旅館にて。

貴『この旅館…木の匂いがして良い匂いだなぁ…』

白石「ここ、混浴あるんだって〜？…チラ〜…」

にやけた変な顔をした白石がミツキをチラチラと見ると、ついさっき風呂から上がってきたばかりなのか、まだ少し水気の含んだ髪をタオルで拭いていた。

貴『残念、もう上がりました〜』

不意にニカッと歯を見せて笑うミツキは、どこか無邪気さと色気を同時に感じさせる雰囲気がある。

白石「お…おぉ……アナタ早風呂なのね…」

杉元「おい白石、入らねぇのか？」

白石「お、おう！」

杉元の声を聞き、白石はそのまま露天風呂のある方へと足早に向かっていった。

暫くして、髪が半分乾いてきた頃。
アシㇼパが弓矢を持って廊下を走ってきた。

貴『？どしたの、廊下なんか走って…』

アシ「来い峰山！恐らく奴らはすぐ近くにいるはずだ！」

貴『なに…！？』

アシㇼパの後ろを追いかけるようにミツキも共に外へ出た。

その時、一つの銃声が森から聞こえた。

アシ「銃声だ…！」

貴『こっちからだ！』

アシ「！待て！峰山…っ！」

アシㇼパの静止を待たずに、そのまま音のした森へと走っていく。

木々の間を縫って走り抜けていたその時、ガツッ！という鈍い音と共に何かに足を取られ、思い切り地面に転んでしまった。

貴『いたぁぁ……ん？』

昔から夜目が利く方であったミツキは月明かりの中、足元に裸体の男が横たわっていることに気が付いた。

貴『し…白石さん…！？し…死んでないよね…？』

そう言って白石の裸体を軽く足先でつっついていると、リュウとチカパシが駆け寄ってきた。

チカ「あ！おっ○いデカいお姉ちゃん！」

貴『峰山御姉様とお呼びなさい』

白石「んあ？あれ、ミツキちゃん？他の奴らは？」

貴『分かりませんが、とりあえず今はリュウについていきましょう』