【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ44)

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43話　大蛇ページ44

アシ「色々と気持ち悪いから嫌だ！！蝮の毒ではめったに死なないから我慢しろ！」

アシㇼパはそう言い薬草を探しに、その場から逃げるようにさっさと走り去っていった。

白石「く…ッ優しい優しいミツキちゃん！吸い出してぇ！！毒をチュッチュと！！」

貴『えぇ！？ど、どうすれば！？』

杉元「滅多に死なねえってよ。我慢しろ」

白石「まれに死んだのが全員頭を咬まれた奴だったらどうすんだよ！！
網走監獄を知り尽くしていて潜入出来るのは俺だけだぞ、俺が死んだら困るだろッ」

白石はそう言い尾形にも頼むがやはり断られてしまう。

貴『やっぱり私がやるしか…』

白石「お願いッ」

アシ「しなくていいぞ。薬になる草をとってきた」

そうしてアシㇼパがとってきた草を焚き火で咬まれた傷跡を燻している間、サクソモアイエプという大蛇の話を聞いた。

アシ「夏になると絶対にムックリを鳴らさない。ムックリはヘビが集まるとフチが言ってた」

貴『へぇ〜』

白石「夜に口笛を吹くとヘビが来る、みたいな話ね」

杉元「ぴゅーー♪」

アシ「わあああ！！やめろッ」

白石「アシㇼパちゃんでもここまで苦手な生き物がいたとはなぁ…ぴっぴっ♪」

杉元がふざけて口笛を吹き、白石も楽しげに続けて吹きバチッとビンタをかまされる。

貴『大丈夫ですよ〜ただの古い迷信ですから〜！ぷ…ひゅぅ…♪」

アシ「それは口笛か？」

貴『え』

白石「ミツキちゃん口笛下手くそだよね…」

杉元「夜に口笛を吹くとね、景気が良いと思われて泥棒が寄ってくるからやめなさいって話だよ」

貴『あれ！？』

白石「さっきまで座ってた倒木が…」

三人が丸太に腰をかけようとするも、先ほどまであったはずの丸太はどこにもなくそのまま転んでしまう。

白石「杉元おまえ…その顔どうした？お前もどこかヘビに咬まれた？」

杉元「え？いや？」

そう否定する杉元の顔は白石と同じく蛇に咬まれたとしか思えないほどパンパンに膨れ上がっており、なんだか面白いことになってしまっている。

貴『白石さんも頭の形やばいですよ…タコみたいな…』

白石「え…そんなに酷い？」

カサッ …

「え？」

ミツキ達がそんなやり取りをしていると、杉元の後ろにある草むらから物音が。
皆咄嗟に音のした方向を見遣ると、草むらから伸びる長く太い胴体を持つ生き物がこちらを見ていた。

アシ「き゛ゃーッ！！」

「サクソモアイエプだッッ」

皆蜘蛛の子散らすように一目散にその場から逃げ出した。