【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ42)

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41話　いたいのとんでけページ42

杉元「…白石は俺たちを裏切ってなかった」

白石「…そ！そのとーり！言ったはずだぜ！俺はお前らに賭けるってな！」

貴『調子の良いこと…』

それから暫く気球で逃走していると、機械の調子が悪いのか妙な音を立て始めた。

杉元「おい、なんか調子悪いぞ」

貴『あらら…』

鈍くなった機械の様子を見ていると、杉元と白石、アシㇼパが奇声をあげてけたぐった。

貴『狂っちゃったんですかねぇ…』

尾形「喧しい」

そして気球を下り、陸を歩く。

杉元「四十キロくらいは離れられたな」

尾形「馬に乗って追ってくる兵士が上空から見えた。あんな目立つものに乗っていたんだから、おおよその位置は把握されている。グズグズしてたら追いつかれるぞ」

貴『しかし杉元さんの手当てもしないと…』

そう話していると、アシㇼパが綺麗な花を持ってきた。

アシ「レタンノヤ。ノコギリソウを見つけた。葉を揉んで塗れば止血の効果がある」

貴『はえーすごい』

アシㇼパが杉元の傷口を消毒しているのを見ていると、ふと白石から声をかけられる。

白石「ねーミツキちゃん、俺も怪我しちゃったから診てくれる？」

貴『そうなんですか？どれどれ……
…って、えぇ…？まさかこれですか？？』

白石の怪我していると言う掌を見ると、小指の爪にも満たない極小サイズの擦り傷のようなものがあった。

白石「はやくなおしてくれよ〜ん」

貴『こんなのすぐ治りますよ。
いたいのいたいのとんでけ〜』

白石「わあー！もう痛くなーい！スゴーイ！」

尾形「…」

そんなこんなしているうちにアシㇼパは杉元の止血を終え、再び五人は歩き出した。

貴『この辺寒いなぁ〜』

双眼鏡で遠くを見ていた尾形が、急に焦った様子でこちらを見る。

尾形「見つかった、急げ！大雪山を越えて逃げるしかない！」

白石「まじかよ…この山を…？！」

…

大雪山にて。
強い風に猛烈な寒さが一行を襲っていた。

杉元「まずいぞ！天気が急に崩れてきた！」

貴『さむすぎる…』

白石「真冬みてえだ…ッ」

アシ「どんどん風が強くなる！雨も降りそうだ！」

白石が下山しようと提案するも、尾形に即却下されてしまった。

…

白石「いひひひひ…」

貴『白石さん？』

アシ「白石の様子がおかしい！」

尾形「風を避ける場所を探すんだ！低体温症で死んじまうぞ！」

気が狂った白石をなんとか抑えながら辺りを必死に見渡すも、風除けになりそうな場所は全く見つからない。

アシ「…ユク……！」