【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ37)

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36話　馬の腸ページ37

何度か死にかけたせいか、なんだかほっとする…

永倉「刺青を売った金で故郷に帰り、嫁さんでも貰って静かに暮らす…若いもんにはつまらん道に聞こえるかね」

杉元「…のっぺらぼうに会いに行って、確かめたいことがある。それまでは、金塊が見つかってもらっちゃ困る」

ぐぎゅう…るる……ぐぅ…ぅ…

アシㇼパが腹を抑える。

杉元「なあに？！コロコロって！！」

腹の鳴る音で辺りが微妙な空気と化す中、ひょっこりと現れた家永が飯を作ってくれることになり、その場はなんとかおさまった。

家永「峰山さんも、こちらで手伝ってくださいな」

ミツキは「はい！」と返事をし、台所へ家永と向かった。

…

家永「なんこ鍋でございます」

白石「この肉大丈夫なやつだろうな…？」

貴『さっき調理する時に見ましたが、確かに馬の腸でしたよ』

白石「なるほど、馬ね」

「馬の腸」と聞くや否や吹き出すキロランケにミツキは首を傾げた。

その後ミツキもなんこ鍋を自分の器によそい、席について肉を頬張る。

貴『はふ…うま…！生きてるって最高…っ」

杉元「…あんたら、その顔ぶれでよく手が組めてるな。特にそこの鶴見中尉の手下だった男。一度寝返った奴は、また寝返るぜ」

また、あの鋭い目つきだ。杉元のその目つきは刺すようで、ミツキは苦手だった。

尾形「杉元…お前には殺されかけたが、俺は根に持つ性格じゃねぇ。でも今のは傷ついたよ？」

貴『…』

よくわからんが、顔がひたすら良いので良しとする。

白石「食事中に喧嘩すんなよ」

土方「今は偽物との判別方法を見つけることが先だ」

そんな空気の中、ミツキがおかわりをしようと席を立つ。

貴『おかわりしよ〜』

白石「あ、ミツキちゃん！俺のも俺のも〜」

貴『仕方ないですねぇ』

…

暫くして、月島軍曹の遺体を探しに白石と永倉、キロランケは聞きこみに、杉元とアシㇼパ、牛山は炭鉱へ向かった。

その間土方と尾形、ミツキは江渡貝邸に残り、偽物の刺青人皮に関する手がかりを探していた。

ミツキが尾形達とは別の部屋を調べている時、窓の外へふと目をやる。

貴『な…っ！軍服の奴らがすぐそこまで…っ！』

軍服を着た兵士の姿が見えたと同時に、窓から室内へと投げ込まれた何かによってカーテンに炎が燃え広がる。

貴『土方さん！尾形さん！外から火炎瓶を投げ込まれました！建物の外に兵士がいます！！』

まずい…完全に焼かれる前に、この部屋の剥製を少しでも運ばなくては…！