【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ34)

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33話　猛獣ページ34

薬売「あのねえ嬢ちゃん…こういうもんは普通顔馴染みの猟師からしか買わねえよ？大体これ盗品じゃないの？」

貴『盗品ん？いくらなんでも失礼すぎませんかねぇ？』

薬売「ちょ…何抜こうとしてるんだ！小刀かそれは？」

杉元「足元見てんじゃねえぞコラ！ああん？」

キロ「舐めてんのかよ？」

薬売「と…とんでもない…！」

白石「ほれほれ、手荒い真似はおよしなさいって…」

言いがかりをつけてくる薬売りに三人が圧力を掛けていると、白石がミツキの小刀を仕舞わせながら三人を落ち着かせる。

白石「すみませんねえ、こいつら手加減ってもんが出来ませんで……猛獣ですわ」

そう言って「ケッヒッヒッ」と妙な笑い方をする白石は杉元にすっこんでろと殴られてしまうが、割と平気そうだ。

薬売「…っ！？」

貴『だ…大丈夫ですか？』

白石「ヒヒヒッ……猛獣ですわ」

…

その後なんとか熊の胆を高値で買い取ってもらい、ミツキ達は夕張の森の川でカワヤツメを獲っていた。

キロ「水の下の岩のくぼみに吸い付いてるから、中指を外に出して掴んでみろ」

貴『！獲れた〜！！』

キロ「コツを掴むのが早いな！あと一匹獲れたら飯にするか」

ミツキが嬉しそうにカワヤツメをカゴに入れるその横で、白石も言われた通りの方法で獲ろうとするも、ヌルンッと手から滑り落ち逃げられてしまう。

キロ「そっちでアシㇼパたちと遊んでな」

白石「…クーン」

そんな中アシㇼパが何かを足で掴んだようで川から足をあげて見せた。
アシㇼパはスナヤツメがアイヌではプヤプヤと呼ばれていると説明し、スナヤツメを手でつまむ。

貴『可愛い〜！どうやってつかまえるんですか？』

アシ「川底の砂に足を潜らせて探って掴むんだ！」

貴『……！

きた！』

ミツキは言われた通り足で川底を探ると、何かに触れる感触がして咄嗟に掴み水中から足を引き上げる。

白石「きゃッ」

貴『…』

虚無顔のミツキに白石はそのまま足をとられ、川に転んでしまう。
その際頭に吸い付いたヤツメウナギをつかまえ、蒲焼きとうな重に美味しく調理した。

貴『白米おいし！ヒンナ〜』

杉元「軟骨がコリコリしてる〜」

キロ「アイヌの伝説にこういう話がある…」

キロランケはそう言って、アイヌの伝説を話し始めた。

神が獲って解体した熊を運ぶ際に誤って川に流れてしまい、その時流されたヒグマの腸がウクペリになったのだと。

キロ「だからヤツメウナギには骨がないんだってな」

貴『はえ〜』