【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ33)

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32話　地元ページ33

貴『ん…美味しい！もっと！』

キロ「ったく、これから飯だってのに」

そんな話をしていると、先にコタンに着いていたアシㇼパ達が声を掛けてきた。

貴『あれ？杉元さん顔が…』

白石「ああ〜ッ！？杉元フキ食べたデショ！」

杉元「白石と峰山も食べたねぇ？」

白石「アシㇼパちゃんも…って、ええ〜？それ…うそ〜？どうして〜？」

キャッキャウフフと楽しげに四人はアシㇼパの真っ黒な顔を見て笑い合った。

…

そしてミツキ達がサクラマスのオハウを食べ終わる頃には辺りはすっかり暗くなっており、アシㇼパは先に寝てしまった。

貴『アシㇼパさん、よく寝てるなぁ〜』

白石「…で、なんだよその顔」

ミツキがアシㇼパに布団を掛けている横で、白石は杉元の顔に巻かれた包帯について尋ねた。

杉元「イタドリの若葉とかヨモギとか…熊の油も毎日塗られる。俺は傷跡なんてどうだっていいんだけど…」

キロ「傷が増える前の顔が気に入ってたのかな？」

白石「確かに元々モテそうな顔ではあるよな。流石に結婚はしてないんだろ？地元に"いい人"くらいいるんじゃねえのか？」

浮いた話の一つもなかった杉元の恋愛事情。
これは確かに気になるところ。

杉元「…」

ミツキも黙って耳を傾け杉元の言葉を待つが、返ってくるのは囲炉裏の火の音と静寂のみ。
答えたくないのか。

白石「…あれ？否定しないね？ひょっとして金塊が欲しいのもその女が関係してんのかい？」

キロ「シライシ。もういいだろその話は」

キロランケに話を止められてしまい、白石はつまらなそうに「ちぇっ」と言った後、今度はミツキの方へ顔を向ける。

白石「そういやミツキちゃんの地元はどこなの？北海道？」

貴『九州の日南ってとこですよ。海がよく見えるところに住んでて…よくひとりで遊びに行ってたなぁ…』

キロ「九州？また随分と遠いところから来たんだな…恋しくなったりしないのか？」

貴『…海は恋しいかも…また見れたらなぁ』

白石「日南の海、俺も連れてってネ！」

貴『ひとりでいいかな…』

…

そんなこんなでミツキ達はなんとか夕張へと辿り着き、赤毛からとれたものを売ることに。

薬売「その熊の胆、お嬢ちゃんが獲ったの？本物かい？調べていい？」

そうして薬売りの男は熊の胆を桶の水の中に落として本物かどうか調べる。

貴『幾らくらいで売れますかね？』

男がそろばんでパチパチと弾いて見せてくるも、アシㇼパはその価格に納得いかないようで首を横に振った。