【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ31)

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30話　草違いページ31

貴『アシㇼパさん、ちょっとだけヒグマの肉食べちゃいましょうよ』

アシ「私は食べられない…このヒグマはそこの男を殺したウェンカムイだから…」

ｸﾞｩ〜〜〜

杉元「…アシㇼパさん…」

その後杉元の説得により、アシㇼパは食べる気になったようだった。
しかし肝心のニリンソウが無いことに嘆いていると、杉元が鞄いっぱいのニリンソウを出してくれた。

アシ「…杉元…！！これはニリンソウじゃないぞ」

杉元「え？そうなの？」

貴『じゃあこれはいったい…？』

アシ「これは、スルク……トリカブトだ」

そこからトリカブトの毒を加工し、毒の強さを確かめる為杉元の舌の上に乗せた。
その間、キロランケが外を注意深く見張っているのが目に入る。

キロ「…外に二頭戻ってきてる」

貴『…』

このまま無事に斃せるだろうか…
弾だって若山が取り返したとはいえ、残り少ないだろう。

不安を感じるミツキに気付いたのか、キロランケはぽすんとミツキの頭に手を置いた。

貴『…？』

キロ「なに、なんとかなるさ」

杉元「ほっ … ほっへ …」

白石「なに？」

貴『ホッケ？』

白石「ホッケ…魚と言えばさ〜ミツキちゃんは何が好きとかあるの？」

杉元「ほっへふへッ」

貴『マグロ！！』

白石「いいねぇ！腹減ってきたなぁ〜」

アシ「他にも指の股に挟んでおく方法もあるけど、そっちが良かったか？」

杉元「はやふほっへッ」

…

それから杉元の舌から毒をこそぎ落とした後、アシㇼパが農具の柄を削って槍を作るも、毒を固定する松脂が無いことに気付く。

キロ「シライシの飴ちゃんを溶かして使ったらどうだ？」

アシ「なるほど！！シライシ、飴ちゃん全部出せ」

貴『私にもついでにくださいよ』

白石「…クーン」

そうして白石から飴を奪い取り、無事に毒槍を作ることに成功した。

アシ「よしッ！！赤毛どもを斃してここを脱出するぞ！」

キロ「シライシ、男の死体を運ぶのを手伝え！」

白石「死体？」

その後、白石とキロランケが先程死んだ男の体を窓から外に出し、赤毛を呼ぶための囮にした。

杉元達の思惑通り赤毛が一頭死体につられてやって来た瞬間、杉元の投げた毒槍は見事命中しもう一本打ち込もうと杉元が構える。

ミシッ … ミシッ …

「！！」

貴『に…二階から音が…』

白石「嘘だろ？もう一頭が二階に侵入してきたぞッ」

キロ「物を退かせ！外に逃げるぞ！！」

戸を塞いでいたものを外へ逃げる為急いで退かしていく。