【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ30)

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29話　長ドスページ30

若山「ぬぬぬ…」

若山は苛立たしげに二つの生首を掴むと窓ガラスごと割って外に放り投げた後、その窓から外へと出ていく。

仲沢「親分なんかヒグマにチ○ポ食われちまえばいいんだ！あんな若い男を連れ込むなんて！」

若山「うるせえッお前なんて札幌に置いてくるんだったわ！！」

そんな痴話喧嘩を繰り広げながらも若山はなんとか弾薬を杉元に投げ渡し、そのまま赤毛から逃げるためどこかへ走っていってしまった。

仲沢「おやぶぅん…」

貴『脚に入れ墨があるなんて…』

白石「…ミツキちゃんさ…遊郭に行く男ってイヤ？」

貴『ヤですね』

白石「……そっかぁ…」

バキバキバキ …

貴『ん？』

ミツキにキッパリと言われ白石がしょげていると、何やら木製の何かが折れるような音がし振り返る。

貴『…！ヒグマがもう入ってきた…ッ
…ん？これは…』

ミツキはふと床に目がいき、先程若山が持っていた長ドスを見つける。

貴『これなら少しは…』

仲沢「それは親分の…！！」

キロ「下がれアシㇼパ！！」

アシ「…！！峰山！何をしてる！？」

アシㇼパがそう叫ぶも、ミツキは構わず赤毛に突進していく。
ミツキは長ドスを刀に見立てて構え、赤毛の顔面に素早く振り下ろす。

シャッ …

キロ「な…ッ」

白石「鼻先を斬り落とした！！」

しかし鼻先以外は無事な為かまだ怯む様子はなく、ミツキめがけて赤毛の爪が振り上げられる。

杉元「峰山伏せろッ！！」

貴『！くっ…！』

ドンッ

銃声と同時にギャーッと赤毛が声を上げ、その後も杉元が数発発砲してようやく斃すことが出来た。

貴『杉元さん…顔が…』

杉元「峰山こそ怪我はないのか？」

貴『だ…大丈夫…ですけど…』

顔面をバリッと爪でやられたというのに、流石は杉元。
何故だか平気そうにしている。

白石「も〜ミツキちゃんってば〜！ヒヤヒヤさせないでよ！」

貴『なんとかなりゃ良いんですよ〜』

そう言いミツキがヘラヘラしていると、白石は杉元の顔を見て目を丸くした。

白石「……杉元おまえ…その顔…
隠し包丁いれた焼きナスみたいになってんじゃん…」

貴『フフ…ッ』

杉元「…」

アシ「手当てしよう。ヒグマから油を取って傷に塗る」

そうして杉元はアシㇼパから顔面に油を塗りたくられ、仄かに良い香りを漂わせ始めた。

貴『なんだか良い匂い…』

白石「脂の匂いを嗅いでたらちょっと腹減ってきたなぁ…」

貴『あ、そうだ！』

ミツキは思いついたぞ、と手を打った。