【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ26)

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25話　赤毛のヒグマページ26

キロ「ほう…農家か」

白石「キロちゃん、ミツキちゃん、一緒に行ってくれる…？」

貴『しょうがないですね〜』

なにやら怯えた様子の白石にそう言われ、ミツキとキロランケ、白石の三人で先ほど言われた農家のある方向へと歩みを進めた。

…

白石「農家があったぞ！」

貴『結構良い感じですね〜ゆっくりできそう』

その時、キロランケが突然後ろに勢いよく振り返った。

貴『！？』

白石「え？なに？…って、なんだ〜驚かせんなよ」

キロ「さっき赤毛に襲われてた馬だ」

貴『ここまで逃げてきたんですかね…傷が痛々しい…』

キロ「よしよし、来いッ」

白石「その馬連れてくの？」

キロランケがそのまま馬を連れて行こうとする中、白石がそう尋ねる。

キロ「こいつは赤毛の獲物だ。執念深いヒグマは必ず自分の獲物を取り戻しにくるッ」

貴『え！？遭遇した時どうするんですか！？』

白石「そんな馬置いてけよッ俺達は熊と戦える武器なんて持ってねえんだぞ！？」

キロ「うるせえッ殺されちまうって分かってるのにほっとけるかよッ」

貴『き…キロランケさん…』

なんて馬思いな人なんだ…
なんて呑気なことを考えていると、後方から気配がしてもう一度振り返った。

貴『…っ！！…あ…あれって…！！』

白石「あ…赤毛…」

……詰んだ。

ミツキの脳内には、この一文字だけが浮かんでしまう。

キロ「白石、峰山…ゆっくり動け…絶対走るなよ…」

貴『う…うぅ…』

キロ「峰山、しっかりしろ…！」

土方さんごめんなさい…私の二十一年の人生はここで終わるようです…
ミツキがガクガク震えながら死を覚悟していたその時、体がふわりと宙に浮いたと思った瞬間、どんどんキロランケと赤毛から遠ざかっていく。

貴『え…！？』

キロ「このタコ坊主ッ！！」

白石「ウヒイッ」

情けない声を上げながらミツキを俵担ぎして全速力で逃げる白石に、赤毛がドスドスと追いかけてくる。

貴『熊来て゛る゛ぅッ！！』

白石「ウヒーッ」

キロ「革帯を外して投げろッヒグマはヘビが嫌いだ！！」

白石「ウヒッウヒッ！！」

白石が「ウヒイッ」と鳴きながらベルトを赤毛に向けて投げ捨てると、赤毛は一時的に怯みその間に急いで建物へと逃げ込んだ。

…

逃げ込んだ先には小太り気味の男がすでに先客としていたようで、馬が突然入ってきたことにかなり驚いた様子。

キロ「ヒグマが外にいる！！あんた銃は！？」

若山「銃なんてこの家には置いとらんぞ」