【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ21)

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20話　油樽ページ21

杉元「爆発の直前まで、家永と牛山も二階にいたと白石が言っていた。地下に埋もれたとは思えん…」

ミツキが休憩がてらアシㇼパの方を見ると、まだ昨晩見つけたはんぺんを大事そうに持っていた。

アシ「二人とも…無事避難できたかもしれないな…」

貴『アシㇼパさん、まだそのはんぺん持ってたんですか…』

杉元「そのはんぺん捨てなさいよー」

アシㇼパのはんぺんを見て、ミツキは「ふふ…っ」と口元に手を当てて笑った。

キロ「白石の野郎、買ったばかりの爆薬を吹き飛ばしやがって」

貴『あの銃砲店、目つけられないと良いですけど…』

アシ「あいつどこ行った？」

杉元「どうせススキノだろ、あのえろ坊主」

白石「だがそのススキノで俺は囚人の情報を掴んできたぜッ」

ピコッと瓦礫の裏から突然白石が顔を覗かせてそう言う。
そうして白石の話によると、どうやら囚人のひとりが日高にいるということらしい。

…

それからミツキ達は金を作る為狩りをしに森へと入った。

油樽の他にアシㇼパが仕掛けた木の股に前脚を引っ掛けるキツネの罠を見に行くと、見覚えのある人影がジタバタと暴れつつも見事に引っ掛かっていた。

貴『……随分とデカいキツネですねぇ』

白石「クーン…」

アシ「そいつは放っておけ。肉が臭いから食べるところがないんだ」

貴『そっか！』

白石「え゛ッまって置いてかないでッ下ろして！？おねがあい！！」

…

その後罠から白石を引き摺り下ろした後、無事狩りにも成功した。

アシ「狐の皮は一枚一円くらいで売れる。エゾリスはもっと安くて二十銭くらい」

白石「狐一匹で酒が六升ってところかぁ」

杉元「お前が爆薬を台無しにしなきゃ今頃は！」

白石の「てへっ」と舌を出す様子に杉元は「腹立つなコイツ…！」と愚痴をこぼす。

キロ「杉元、それにな、この男は札幌で…」

白石「キロちゃんそれ言わないでぇ？」

キロランケが何かを言いかけたところで白石が口元を手で抑え止めるも、あえなくキロランケに手をどかされ、アシㇼパから借りた金を全て競馬に注ぎ込んでしまったことを暴露されてしまう。

白石「きゃはああッ☆言っちゃったあああッ」

アシ「あのお金…博打に使ったのか」

杉元「樽の底の油舐めろ！」

白石「ヤダァ！！ミツキちゃん助けてぇ！！」

貴『ハハハ！てげおもしりぃ！』

ストゥと釘のついた油樽でボコボコにされる白石を、ミツキは横で爆笑しながら見物する。

キロ「しばらく苫小牧の勇払に滞在するしかねぇな…」