【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ20)

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19話　脱出ページ20

白石「ちくびが取れるッ！！やああッ誰かぁ！！」

貴『…は…？』

ミツキは薄く目を開け、目の前に広がる混沌とした光景に困惑する。

白石「！！ミツキちゃんたすけてぇッ」

牛山「ウッ … くせっ」

貴『…』

なんだ…この状況…

牛山に襲われながら助けを求めてくる白石と、ゲロゲロと床に嘔吐する牛山を、ミツキはまだうっすらとした意識の中引き気味に眺める。

ジャラッ

貴『…？』

手枷か…どうりで動けないわけだ…
ぼんやりとした頭で分析していると、白石が自力で抜け出したのか空になった台を牛山が部屋の扉に叩きつけ始めた。

白石「牛山ッそれじゃ無理だ！天井の穴をこじ開けて脱出できるぞ！！」

牛山「女将！女将！女将ッ！」

白石「ダメだ…せい欲で我を忘れてる…」

貴『…しら……し…さ…』

天井の仕掛け穴をこじ開ける白石を見上げて見ていると、パチリと目が合う。
少し間が空いた後、白石は床に飛び降りてミツキに駆け寄り手枷を弄り始めた。

貴『…！おいてくと…おも…ったのに…』

何故だろう…
私を助けたって得は無いはずなのに…

白石「…」

ミツキの言葉には答えず、カチャカチャと手錠を黙って弄り続ける。

白石「……出来た、立てるか？」

貴『…っ』

ガチリと解錠される音がしたと同時に、両手を解放された拍子にふらりと床に倒れそうになるも白石に支えられる。

そのまま白石はミツキを背中に負ぶると、天井の穴をつたってなんとか脱出した。

…

それからまたなんやかんやあって最終的にホテルは爆発し、その頃にはミツキの意識もだいぶ戻ってきていた。

杉元「…ケホッ」

アシ「はっ！ち○ぽ先生は！？ち○ぽ先生〜〜〜！！」

白石「ち○ぽ先生…？」

そう言ってアシㇼパが大声で牛山を呼ぶも応答はなく、かわりに落ちていたはんぺんを拾った。

貴『…下ろしてもらっていいですよ、もう歩けますから』

白石「あ、あぁ…そう？」

白石にミツキはそう言い、背中からゆっくりと下ろしてもらう。

キロ「そのうち軍や警察が集まってくる。面倒になるぞ、ひとまずずらかろう」

…

翌朝。

白石が辺見の写しを牛山に持っていっている間に、ミツキは杉元とアシㇼパ、キロランケと共に札幌世界ホテルだった瓦礫を退かしながら家永の遺体を探していた。

キロ「消防も警察も、死傷者は見つけられなかったらしい。地下室の死体も瓦礫で埋もれてしまったようだ。
二人の死体があるとすればそこかもな」