【金カム】坊主頭に興味が湧いて (ページ16)

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15話　札幌へページ16

杉元「キロランケはのっぺらぼうのこと、まだ何か隠している気がする。
それにアシㇼパさんが懐くなら、それほど悪いやつじゃないんだろう。
峰山はもうクジラ関係なくついてきてるし」

貴『…』

やっぱり怪しまれるか…
これ以上ついていくのは厳しいかな…

そんなことを考えていると、白石が口を開いた。

白石「ミツキちゃんなー」

貴『…！』

余計なことを言うなよ…！
言ったらどうなるか分かってるよな白石…！

白石「"恋人"である俺様にピィーーッタリくっついてねぇと、他の女に取られないかシンパイなんだと！ピッタリ！とな！それはもうピィーーーーッタリと！！」

杉元「……」

貴『…』

そう言えばそんな"設定"だったな…

そんなふざけたことをぬかす白石を無視して、杉元は建物に戻っていく。

ヒヤヒヤして損した…

…

そして翌朝になり、それぞれ三頭の農耕馬を借りさせてもらった。
三頭のうち一頭だけ都合上小さく、それに白石が乗ることになり、ミツキはキロランケの後ろに乗ることになった。

アシ「フチをよろしく頼むぞ」

白石の馬の小ささに対しての指摘に被せるように、杉元が「行こうか！」と出発を促した。

杉元「まずは札幌！そして網走へ！」

白石「俺の馬小さいんだけど…！」

貴『く…ふふ…ぷ…っ』

白石「あそうだ、ミツキちゃん！キロランケの後ろと交換…」

貴『え？やですよ』

白石「…クーン……」

ミツキにそうスパッと断られてしまい、白石から悲しげな鳴き声が聞こえた。
何故だか少しだけ可愛さを感じる。

…

それからミツキ達は札幌を目指して進んだ。

その道中、白石がウトウトしていたせいで崖から転げ落ちたり、それから暫く行方不明になりながらも無事保護したりと色々散々な目に遭いながらも、一同は札幌へと辿り着いた。

白石「…や…やっと着いた……」

貴『にしても…よく生きてましたよねホント…』

ミツキはそう言いながら、ボロボロの白石に肩を貸してやる。

杉元「時間…かかったな……」

白石「クン…クン……ミツキちゃん良い匂い…」

貴『地面に叩き落としますよ』

キロ「銃砲店はあそこだ」

そう言ってひとつの店を指差すキロランケの後を、ミツキ達はついていった。